「あ〜」 についての短い考察

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    みなさん最近 「あ〜」って言いました?

    私が言っているのはあの「あ〜」ですよ

    どこからか落っこちる人の「あ〜」でもなく

    ウザいときの「゛」のついた「あ゛〜?」でもなく

    ましてや「北の国からの」さだまさしさんの「あ〜あ〜 あ あ あ あ あ〜あ」でもありません

    ちょうどいい温度の湯ぶねに浸かったとき、おいしいお茶を一口飲んだとき、おみそ汁を飲んだときに、おもわず口からもれる、ほぼ声帯を使わない、あの「あ〜」のことです。

    なんであれ、出ちゃうんでしょうね??

    で、ちょっと調べてみたんですが、どうやらなんらかの緊張が解けてリラックスしたときに、ためていた息が漏れ出て、あの「あ〜」になるそうなんです。

    ビールを飲んだあとの「あ〜」のような爽快、っていうほどではなくて

    なんかしみじみとするあの「あ〜」

    お風呂、マッサージ、お茶、こんぶやかつおだしの風味などなど、気持ちよさとあたたかさを感じます。

    この「あ〜」は、日頃のうっぷんや、とらわれから離れ、なにかふと本当の自分に返ったというような時に出るのではないでしょうか。

    ん? 自分に返る = 我に返る え? 「あ〜」 といって我に返ったら

    それってもしかして・・・「あ〜 我」・・つまり「あわれ」ってことじゃないですか!

    この日本人特有の深い感慨や詠嘆を表す「あわれ」とか「もののあわれ」という古語。

    やはり日本に特有の温泉文化や、だしのうまみを味わう文化から生まれたのかもしれません。

    そして1500年以上たった今でも、私たち日本人はその遺伝子を引き継いでコーヒーを飲んでは「あ〜」、ラーメンのつゆを飲んでは「あ〜」、ヘッドスパをうけては「あ〜」と我に返っているのかもしれませんね。

    ☆日本人のようにほぼ毎日湯船に浸かる習慣って、世界ではあんまりポピュラーではないそうです。とくにシャワーが一般化した欧米人にとってバスタブにつかるのは月に数回の特別なことなんだそうです。

    ☆「うまみ」はもともと日本でしか認識されていなかった味覚で、外国では少し前まで「は? うまみ? 日本人の錯覚じゃない? 甘味・塩味・苦味・酸味の4基本味以外に味覚がある訳ないじゃん。Why Japanese people ?」と評されていました。現代ではうまみは5番目の基本味であることが認められ、その名も「Umami」として、世界の料理界で知られています。じつは日本以外でも使われる食材の、トマトやきのこ、肉類にもうまみ成分が含まれているのに長いこと気づかれてなかったのは不思議ですね。