ワンコインで効果がある本(15) 自分が「へんなんじゃないか?」と心配になったとき せいぞろい へんないきもの


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    せいぞろい へんないきもの

    早川いくを【著】, 寺西晃【絵】

    子供の頃から図鑑が大好きな私が40歳を超えた頃、ひさびさに興味津々で読んだ図鑑が早川さんの「へんないきもの」。

    今回ご紹介するのは、2004年の発売以来人気を呼んだ「へんないきもの」とその続編「またまたへんないきもの」の普及版合本「せいぞろい へんないきもの」です。

    どんな生き物が出てくるかは、まずは表紙の「バットフィッシュ」の画像を見てください。

    こういった外見にインパクトのある「ヨツコブツノゼミ」「テヅルモヅル」「オオグチボヤ」などのほか

    みんな知ってるけど、その生態がけっこうへんな「アイアイ(歌とは違って悪魔のような残忍さ)」「ツチブタ(頭をぶつけると死んでしまう)」「ハリモグラ(後述)」など

    へんないきものが129種類が掲載されています。

    129種類もの「へんないきもの」が立派に生きているその姿を見ると、自分が「へんじゃないか」なんて心配は全く不要なことがよくわかります。

    「へんないきもの」のヒット以来、「ざんねんないきもの事典」や「わけあって絶滅しました」など、思わず笑ってしまうような面白い「いきもの」に関する本がけっこう流行りました。

    特に動物学者の今泉忠明先生が監修した「ざんねんないきもの事典」は続編も合わせてなんと9巻の、まさに百科事典状態。

    NHKでもショートアニメ30話が放映されるほどの人気となりました。

    そんな後続組と「へんないきもの」との決定的な違いは、早川さんの圧倒的な文章センス。

    例えば先ほど名前の出た、身を守るために背中にびっしりトゲがある「ハリモグラ」のタイトルは「最初から守りに入っている人生 ハリモグラ」

    本文の締めも「・・・過剰防衛が功を奏しているのか、これと言って天敵もいない。だが生きることの無意味さを悟るのであろうか、何故か晩年になると針も毛も抜け落ち、僧形となって渋い余生を送るのだった。

    もおホントにかっこいい・・・・「才能のムダ使い(いい意味で)」というのはこういうことなんじゃないかと思います。

    せいぞろい へんないきもの-世にも奇妙な生物グラフィティ 単行本(ソフトカバー) – 2009/3/4
    早川いくを (著), 寺西晃 (イラスト) 

    ブックオフで220円 定価1650円より1430円(86%)お得