会社の設備にかかるお金のお話

    (今回からしばらく、ミカド電装商事株式会社とその管理部門でもあるエースユナイテッド株式会社で毎月行われる朝礼でのお話の内容を掲載させていただきます。)

    8/31~9/1に会社の敷地のアスファルト舗装を全面改装しました。

    1994年の社屋新設以来20年ぶりということになります。

    これまでもすり減ったりしたところを部分補修しながら使っていましたが、白線もあんまり見えなくなってきたし、ということで今回思い切って一新することにしました。

    改装には300万円を超える費用がかかりましたが これって今年の決算にどう影響するのでしょうか?

    実は建物やその付帯設備、あとは自動車や高額な工具などは「減価償却(げんかしょうきゃく)」という会計上のルールに従って、耐用年数に合わせて毎年分割して費用として計上することになっています。

    古くなって価値が下がった分を費用にするので「減った価値を償却」するのでその名前がつきました。

    アスファルト舗装の法定耐用年数(財務省で定めたもの)は10年ですので、これから10年毎年の決算で「減価償却費」という科目で費用として計上することになります。

    法定耐用年数は、例えば一般の車両なら6年とか、鉄骨の社屋なら50年とか、「だいたい最低これくらいは持つでしょう」という具合に決まっているんです。

    どうしてそれを買った年に全額費用にしないかというと、それをやると例えば社屋を建て替えたりなんかすると、その年に何千万、何億という赤字になってしまうからです。

    この仕組みは、蒸気機関車が発明され鉄道業が発達した19世紀のイギリスで生まれたそうです。

    鉄道を敷くのは莫大なお金がかかりますから、その投資を毎年の費用に分割することで、その年にどのくらい儲けることができたかを明確にできるようになったというわけ。

    それが現在も会社の決算書で使われる「損益計算書」の始まりだそうです。

    もしも、耐用年数前に設備がこわれてしまうとその年に残った残価を一度に費用計上することになってしまいますから、その年の利益が減ってしまうことになります。

    逆に長持ちしてくれて耐用年数を超えてしまえば、もう減価償却をしなくてよくなりますから、費用が抑えられて結果的に利益が出やすくなります。

    つまり、会社の設備を大事にして、修理しながらきれいに保つことは、見た目の気持ちよさだけではなく、会社の利益や、社員の皆さんへの決算手当など、経済的な利益にもプラスに働いている、ということになるんです。

    ミカド電装商事とエースユナイテッドが「車両・設備・工具は修理しながら大切に長く使う」ことを基本方針のひとつにしているのは、実はそういうわけなんです。

    ☆そうは言っても、じっさいにお金は出ていくんですよ。

    だから金額が大きくなる場合は、銀行から借り入れたりして資金調達します。

    会社の設備の資金調達と財産状況を管理するのがバランスシート(貸借対照表)で、こちらは15世紀に地中海貿易で栄えたイタリアで生まれました。