環境・エネルギー部より、来期に向けた省エネ関連の補助金の動きをお伝えさせていただきます。
令和6年度補正予算案が11月29日に閣議決定され、12月12日段階で衆議院可決(一部修正があったものの)、これから参議院での審議を経て、12月下旬までに成立予定となっております。
今回のメルマガでは、省エネ・GX関連支出がメインとなっている経産省の補正予算案とそこに含まれる省エネ補助金についてお知らせします。
<経産省 令和6年度補正予算について>
経産省予算総額約4.4兆円のうち、「物価高の克服」として1.6兆円が計上されております。このなかで「エネルギーコスト上昇に強い経済対策の実現」に約2,724億円が充てられており、ここに省エネルギー投資促進支援(省エネ補助金)が組み込まれています。補正予算額の比較のみでみますと、前年比25億円増額しております。また、我々も関わっている「省エネ診断」が組まれている「中小企業等エネルギー利用最適化推進事業費」は同じく補正予算額比で前年より、13億円増となっております。特に省エネ診断は国の補助が10万円/件程度なので、力の入れようが伝わってきます・・・
<省エネ補助金のパッケージ変更について>
以前、皆様にもご案内していた省エネ補助金(省エネルギー投資促進 何某・・)のパッケージにも変更がでるようです。ざっくりご説明しますと、
(Ⅰ)工場・事業場型
先進設備orオーダーメイド型設備(機械設計が伴う設備)の導入事業で補助率も上限額も非常に大きい事業です。ここに「中小企業投資枠」というものが追加されます。この中小企業枠を使う事によりいままでは先進設備、オーダーメイド型設備に混在させることが不可とされていた下記類型(Ⅲ)の空調、ボイラー、冷凍冷蔵設備などの「指定設備」も一緒に申請することが可能です。ここが結構ポイントです。これから情報が出てくると思いますが、指定設備の更新であっても規模の大きい案件、空調+ボイラーなど複数の設備を組み合わせた事業などは対象になるのでは・・・といった感じです。また補助対象経費も、設備費までなのか、設備費+工事費なのかといったところも今後公開されると思いますが、中小企業の方にはまさに来年度が設備更新のチャンス!と思わせるような変更になっております。
(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型
今回新たに設定された類型で、(Ⅲ)の「指定設備」に電化や脱炭素燃転(重油→ガス化等)を伴う事業については、補助率が1/3→1/2と優遇されるようになったものです。これまで、補助金の額は設備費×1/2でしたが、今回から中小企業に対してのみ(設備費+工事費)×1/2となりました。例えばボイラーの燃料転換する場合に工事費が増額するケースを勘案したものと思われます。
(Ⅲ)設備単位型
定められた基準を満たし登録されている機器に更新する事業を対象としています。これまでも多くの事業にあてはめやすいものでしたが、今回から更に予算規模の拡充を行う予定のようです(補正予算で50億円規模増)。
(Ⅳ)エネルギー需要最適化形
EMS(エネルギーマネジメントシステム)機器の導入する事業を対象にしています。登録されたエネマネ事業者と「エネルギー管理支援サービス」を契約し、登録されたEMS機器を選定する必要があります。省エネ要件の見直しにより、要求されるレベルが引き下げられました。
以上となります。ただ、下記資料を御覧いただければ気づくと思いますが、今まで比較的申請が容易であった(Ⅲ)類型においても、省エネ要件(どれくらい削減できるか?)、エネルギー使用合理化の中長期計画の作成、という事業者様にとっては、少し面倒な手続きも増える見通しです。例年通りの補助金申請をイメージして準備する・・・、といざ申請しようとしたときに、省エネ要件に満たず申請できなかった、ということも起こり得ます。
我々もこのあたりの最新情報にはアンテナを高く張り、お客様の補助金活用計画・設備更新計画に滞りがないように万全の準備をいたします。ぜひお困りごとや来期の活用に向けて何かございましたら、ご相談くださいませ!
<省エネ補助金 申請類型変更イメージ>
(ミカド電装商事 環境・エネルギー部)