「あの人は人が良すぎて損ばっかりしている」
「僕は良い人過ぎてモテナイの!」
不思議なことに「良い人」って言葉には少しネガティブな響きがあります。
良い人すぎると周りから便利使いされて色々損したり、さらに悪い人にだまされてしまうかも知れません。
それに「ちょいワル」とかちょっと悪いところがあったほうが異性にもモテるような気がしますし・・
そういえば昔のヒーローは心の底から「良い人」って感じでした。
私より少し前のヒーロー、月光仮面のオープニング曲の歌詞には「♪正義の見方よ いい人よ♪」ってところまでありましたから。
でも最近のヒーローはちょっと暗い影があったり、時々ダークサイドに落ちそうになったり、そんなヒーローが人気ですね。
「Xメン」はじめ、米マーベルコミックスのヒーロー物があらためて人気なのもそういう傾向からだと思います。
最近は「良い人」ってなんかちょっと滑稽な感じさえします。
うーん
なんかこう考えると「良い人」であることがバカバカしく感じられるようになってきました。
実際のところどうなんでしょうか?
前回と同じく、また「思考実験」をしてみることにしましょう。
「良い人」の反対は「悪い人」
悪い人にはおそらく
「凶暴な人」、「ずる賢い人」、もしくは「その両方が当てはまる人」がいると想定できます。
「凶暴な人」は自分が欲しい物を暴力で手に入れようとします。
そして大抵の「良い人」は暴力に弱いので、(私のように)すぐ言うことを聞いてしまうでしょうね。
凶暴な人は自分が逆に怪我をするかも知れない暴力を振るうことができるわけですから、ある意味身体的リスクを犯すことを厭わない人でしょう。
また遵法意識も弱いでしょうから、決まり事も守らないことが多いでしょう。
現在なら赤信号を無視してフルスピードで交差点を駆け抜ける。
昔だったら、聖域の漁が禁じられた海に船で漕ぎ出す。
石器で脅かして食べ物を巻き上げる。
そんな感じでしょうか・・
ずる賢い人は、ウソをつき、だまし、ごまかして邪悪な心で人を支配しようとします。
現在ならオレオレ詐欺で善良な老人から老後資金を巻き上げる。
昔ならお供え物のお酒をこっそり飲んで水を入れておく。
漁に行った仲間をだまして分け前を二人分取る。
うーん、どっちもまさにやりたい放題、ちょっと羨ましい気さえしてきました。
やっぱり悪いほうがお得なんでしょうか?
しかーし
赤信号を無視してぶっ飛ばせば、いつかはどこかの時点で死亡事故にあう。
聖域の海は潮流が早すぎて船が難破する。
石器で脅かせばいつかもっと強いやつか集団で返り討ちにあう。
お供え物のお酒をこっそり飲めばばれた時に村八分にあい、病気の時に助けてもらえなくなる。
仲間をだまして分け前を二人分取れば、バレた次の漁から混ぜてもらえなくなり、船がないので海辺で海藻や貝を拾うしかなくなり食うや食わずになる。
などなど、悪い人は死亡リスクが良い人と比べて圧倒的に多くなるのです。
死亡リスクが高ければ当然子孫を残せる機会は減りますよね。
実際の世の中で良い人と悪人の人口割合が
圧倒的に良い人のほうが多いのはそういった理由があると思っています。
つまり「善良であることは最良の生存戦略である」っていうのが、この思考実験をもとに出した私の結論ってわけです。
私が根っからの善人でもないのに、(偽善でもいいので)善であろうしているのは実はそういうわけなんです。
☆悪い人が良さそうに見えるのは、「悪い人」は数が少ないので、まるでひやむぎに入っているカラー麺のように目立っているだけなんじゃないかと考えられます。食べればおんなじなんですけどね。