ワンコインで効果がある本(9) フェイクニュースが気になった時 「奇書の世界史〜歴史を動かすヤバい書物の物語〜」


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    オススメの理由 

    ・本に載ってたり、話題の有名人が主張していても、それが間違っている可能性もあることを歴史が証明していることがわかる。

    ・今正しいと思っても、将来「あれは間違いだった」と気づいたときにスナオになれるかも?

    ・今間違っていると思っても、将来「あれは正しかった」と気づいたときにスナオになれるかも?

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    今回ご紹介するのは、私の愛読書のなかでも、前回とは違い具体的に役に立つとは断言できない本です。

    「まあ役に立つかもね」くらいかな?

    そのニュースや情報に触れた時、「え〜! それは大変!」とびっくりして信じてしまっても、時間がたつにつれて、「なーんだウソだったのかぁ」ってなることって結構ありますよね。

    一般的には「フェイクニュース」とか「トンデモ学説」とか言われているものです。

    今回ご紹介するこの本は「かつて当たり前に読まれていたが、今読むとトンデモない本」、「奇書」と呼ばれる本について書かれたものです。

    これを読むと、フェイクニュースやトンデモ学説は、ネット社会以前から世間を騒がせていたことがわかります。

    「魔女の見分け方マニュアル」

    3万部印刷されたと言われる、一修道士が個人的な女性への偏見で書いた魔女狩りマニュアル「魔女に与える鉄槌」のお陰で、罪のない女性10万人が犠牲に。

    「野球害毒説」

    手から衝撃が伝わって脳がダメになる!などなどのトンデモ批判が次々起こる。

    「スリ・泥棒のような遊び!」と「武士道」の著者、お札にもなった新渡戸稲造も野球害毒説の旗振り役に。

    実は東京朝日新聞社の販促キャンペーン

    逆に野球の健全性を訴えるために高校野球の全国大会「甲子園」が生まれた。

    こちらは大阪朝日新聞社と大阪毎日新聞社の販促キャンペーン

    「刀など武器に薬を塗るとそれで受けた傷が治る」

    怪我をした傷ではなく、傷のもとになった刀に「共感の粉」という成分を含む軟膏を塗る「武器軟膏」と言われた当時の治療法を批判する本に対して、武器軟膏肯定派の医師が反論本を書き大論争に。

    エビデンス(証拠)を得るために肯定派が行った武器軟膏と傷口への軟膏の比較実験は何故か武器軟膏の圧勝。

    原因は当時の不衛生な作り方の軟膏を傷口に塗るとかえって悪化し、傷口に何も塗らない武器軟膏のほうが治りが早かったから。

    どうです? 今これをお読みの皆さんからすると本当にバカバカしい、と思われるような内容が本になって、沢山の人に読まれて、社会に影響を及ぼしたのです。

    現在ベストセラーになっていて、信じる人も多い様々な主張本や動画の数々も、時代が立てばこのような扱いになってしまうのかも知れませんね。

    そうそう本書では「番外編」として、当時まったく注目を浴びなかったり、批判の嵐を受けたが、現在となってはその正当性を疑うものがいない書籍も取り上げています。

    地動説を謳ったコペルニクスの「天体の回転について」

    1860年代にロケット(実際には大砲に打ち出してもらって)で月に行くSF小説、ヴェルヌの「月世界旅行」

    今、バカバカしいと思っていることもいつかは本当のことになってしまうこともあるんですね。

    ☆ワンコインではなくてツーコイン必要ですが、買ったときに「自分の他に誰買うんだろう」と思ったこの本が文庫化され、「奇書の世界史2」も発刊されたことに感動して、今回紹介させていただきました。