4万年前の遠い親戚と私たち

    (会社で毎月行われる朝礼でのお話の内容を掲載させていただいています。)

    人類はひとりぼっち

    いま、私たちが「人類」と言うときには、たった一つの生物の種類を指してます。

    それは10〜20万年前に誕生した「ホモ・サピエンス」と呼ばれる私たちのことです。

    「人種」と呼ばれる肌の色などなど身体的特徴による分類もあることにはありますが、生物学的には同じ種です。

    いまはもういない人類の親戚たち

    しかし、そんなひとりぼっちの人類(生物学ではヒト属)にはその昔、色々な親戚がいました。

    4万年前に絶滅したと言われる、おもにヨーロッパ大陸に住んでいたネアンデルタール人(ホモ・ネアンデルターレンシス)が、最後のホモ・サピエンスの親戚とされています。

    彼らがどうして絶滅してしまって、人類は我々ホモ・サピエンスだけになってしまったのでしょうか?

    ホモ・サピエンスに殺戮されて滅びたという説も過去にはありましたが、現在では否定されているとのこと。

    実はネアンデルタール人は私たちより筋肉質で脳も私たちより大きかったと言われています。

    彼らの遺跡を調べると、火や道具を使い、衣服を着て家畜も持っていて、芸術も楽しんでいた痕跡が残っています。

    また頭部の化石を調べると、言葉も話せていたようです。

    どうしていなくなっちゃった?

    ここまでの情報では、彼らが絶滅して、私たちが絶滅せず、地球上のあらゆる場所で繁栄している理由がわかりませんよね。

    最近になってわかってきたのは「彼らの方が私たちより他人と協力し合うのが苦手だったのではないか?」ということです。

    彼らネアンデルタール人の集落を調べてみると、どんなに大きくても200人程度が限度で、化石のDNAを調べると血縁者しかいないことがわかってきました。

    つまり彼らは、血縁者同士で協力し合うことができても、他人と協力して生活することがなかなかできなかったようです。

    その集落で重い伝染病がはやったり、食べ物がなくなったりしてしまうと、だれの助けも借りられず、また新しい技術がどこかの集落で生まれても広がらず・・・ということで徐々に我々ホモ・サピエンスに生活地域を奪われて姿を消してしまった・・・ということらしいんです。

    私たちの繁栄の理由

    私たちホモ・サピエンスは、血縁がなくても同じ会社、同じ地域、同じ国、同じ地球人同士で協力し合って生活することができます。

    そのおかげで、今や何十万何百万という規模の街や地域で生活し、震災の時のように一つの地域で危機が訪れれば、別の地域からの支援があり、新しい技術はたちまち世界中に広がってさらに進歩していく。

    これが私たちの繁栄の秘訣、ということのようです。

    親戚と同じ目にあわないために

    もし私たちが、他人同士で協力して生きることをやめてしまえば、やがてホモ・サピエンスも、遠い親戚と同じ運命をたどってしまうかも知れませんね。

    ☆ネアンデルタール人やほかの遠い親戚たち、ホモ・サピエンス繁栄のもう一つの秘密、にも興味がわいた方は、ミカドONLINEにもう少し詳しく書いてますので、こちらをご覧ください。