「なぜあなたの運は悪いのか??」

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    「俺って(私って)運が悪いんですよ〜」

    って言う人、あなたの周りにいませんか?

    また、これを読んでおられる方自身も

    「そうそう、俺って(私って)ついてないんだよ〜」

    って考えることが多いと思います。

    なんて書いている私自身も、ホームに着いた途端に電車が発車してしまったり、スーパーで隣のレジが先に進んでしまったりするたんびに

    「うわ!ついてない!!」

    と考えてしまいますし、経営者として、人としてのこれまでを思い出してみると、とても運が良かったようは思えません。

    反対に 「俺って(私って)運がいいんですよ」

    って方にはあんまりお目にかかりませんね。

    どうみても素晴らしい運に恵まれたように見える人、例えばとてもいい家に生まれた人や、素晴らしい美貌や健康に恵まれた人でも、案外自分は運がいいとは思っていないようです。

    私は仕事柄いろんな社長さんと会いますが、私から見たらとんでもなくうらやましいお坊ちゃまの社長さんに「自分がいかに不幸で不運か」という話をえんえん1時間に渡り聞かされる、なんてこともそう珍しくありません。

    ・・・一体、この世に運の良い人なんているのでしょうか?

    こんな運の悪い人ばっかりの世の中で、果たしてこれからどんな不幸が人類を待っているのでしょうか・・・?

    私は私達のこういった感じ方は、人類の進化の歴史と関係があると考えています。

    今でこそ「万物の霊長」なんて威張りくさっている我々人類ですが、樹上生活を送っていた私達の祖先はもともとは大変弱い存在で、数々の天敵に囲まれて暮らしていました。

    やがて木から降りて草原で生活するようになっても状況は変わりません。

    いつ猛獣に襲われるか、いつ食べ物がなくなるか、危機に囲まれて生き延びてきたわけです。

    こんな環境で、

    「俺ってラッキー、だいじょうぶだいじょうぶ、心配すんなって!」

    みたいな考え方で生活していると、たちまち古代ライオンに食われてしまいますので、そういう人の遺伝子は非常に残りにくいことになります。

    反対に「・・ライオンに見つかるかも・・ヘビに噛まれるかも・・いやだなあ、こわいなあ・・だからえさを取りに行くのはいやなんだよ・・ほらっ、さっそく虫に刺された! 今日もほんとについてないよ〜

    なんてビクビクしながらも生き延びてきた用心深くて悲観的な人類のほうが沢山の遺伝子を残しました

    そしてそんな悲観的な人類は、危険だったり運が悪かったエピソードをより多く記憶して、なるだけ危険な目に繰り返し合わないようにする能力を身につけていきました。

    そのぶん、「食べ物が見つかった、配偶者に出会った、安全なねぐらを確保した」、などの運の良い出来事は、覚えていてもあまり生存には関係ないので、そのときだけの感情にとどまり、あまり長い記憶として保持されることにはならなかったのです。

    つまり私たち人類はそんな悲観的で、運の良くなかったことばかりを覚えていて、運の良かったことはすぐ忘れてしまうご先祖様の血を引いた子孫たち、というわけです。

    その後人類は文明を手に入れ、この地球の覇者となりました。

    もう食べることや、生存そのものにかつてほど心配をすることはありません

    余裕ができた分、私達には「心」が生まれ、ただ生き延びるだけではなく、「より豊かに、より良く生きたい」という願望が生まれるようになりました。

    そんな心を持つ現在の私たちですが、生存本能に根ざした「マイナスだけ記憶システム」は残念ながら昔のまま

    それで、文明社会に暮らす今の私達は客観的に見ると決してそうでもないのに、それぞれがそれぞれの立場で「運が悪い・ついてない」と思うようになっているのではないかと考えているのですが、いかがでしょう。

    様々な宗教者や倫理道徳を積んだ方が「感謝を大切に」とおっしゃいます。

    私はこの「感謝」が、これまでお話した、進化の経過で我々人類に生じた「設計上の欠陥」を埋める特効薬ではないかと考えています。

    ☆日本が人口や盛んな経済活動の割にコロナ感染者が少ないことについて、何らからの原因(ファクターX)が議論されています。その原因として「日本人の衛生観念の高さ」をあげる方もいます。
    世界3位の経済大国なのに、幸福度ランキングになると62位という我々の悲観大国っぷりが感染予防にもしかするとプラスに働いているのかもしれませんね。