ワンコインで効果がある本(2)・・ さっぱり物事が前に進まないと思った時 「ビジョナリーカンパニー 弾み車の法則」 

    👈 前の記事へ

    次の記事へ 👉

    いやー 春らんまんですね〜 

    私が暮らす、ここ仙台でも4月4日現在で桜が満開。

    とある団体で4月15日にお花見会を予定しているんですが、「な」を取って「お葉見会」になってしまいそうです。

    もっとも大多数の参加者の目的は「飲んで食べて」なので、それはそれでいいのかな?

    といった具合に季節は暖かくなる一方なのに、学生さん、社会人にかかわらず、「進めているプロジェクトが全く進まない」なんてことになっている方におすすめなのが、今回の本。

    2019年に書かれた、たった91ページしかない、この「弾み車の法則」ですが、ジム・コリンズが1994年から書き続けている超分厚いビジョナリーカンパニーシリーズの5冊目にしてそのエッセンスがぎっしり詰まった、なかなかの良書です。

    皆さんは弾み車って知ってます?

    英語ではflywheel(フライホイール)と呼ばれてまして、辞書を引きますと

    動力を伝える回転軸に取り付ける重い車。 その慣性を利用して回転速度を平均化し、また回転エネルギーを保有する。

    と書かれています。

    平たく言うと、回転する機械の軸に取り付けられた重い円盤で、重いので一定の速度で回転させるまではなかなか大変ですが、いったん弾みがつくと同じ速度で回転し続けるメカです。

    足踏みミシンなど昔の動力機械にはよく使われていました。

    レコード盤を載せる、ターンテーブルも回転を安定させるために同じ構造になっています。

    小さい子供が遊ぶおもちゃの自動車にも、ゼンマイやモーターより断然安く作れるので、このメカがよく組み込まれています。

    つまり「この弾み車」のように最初は大変でも、一回弾みがついたら止まらない、そんなアイディアをしっかり作って回し続けよう!

    そうしたら偉大な企業やプロジェクトになりますよ。

    というのがこの「弾み車の法則」

    アマゾンやバンガード(安い手数料の金融商品で成功した大手投資ファンド)さらにインテルが、どのような弾み車の構造を作り上げ、回していったのかが簡潔に書かれています。

    たとえばアマゾンは

    より多くの商品の価格を下げる→サイトの訪問客が増加する→サードパーティの売り手が集まる→品揃えが広がり配送網が充実する→固定費あたりの売り上げが伸びる→最初に戻る・・・で、もう弾み車は止まらない。

    といった具合です。

    じっさいに開業以来赤字続きだったアマゾンは2001年、ジョン・ベゾスが経営幹部を引き連れて、著者に会い、ソッコーでこの弾み車の概念を導入したんだそうです。

    するとなんと「2001年第4四半期、Amazon は開業以来初めて利益を計上した(Wikipediaより)。」という小説より奇なりな事実が起こります。

    その後のアマゾンの気持ちが悪くなるくらいの快進撃は、皆さん知っての通り。

    もちろんこんな大きな話ばかりでなく、学校の校長先生が落ちこぼれ防止を成功させた弾み車や、町の音楽祭を成功させた弾み車の話もあり、弾み車の概念は大小かかわらずプロジェクトを成功させる万能の概念であることが分かります。

    とはいえ、この弾み車の概念は強力なだけに、その構成を間違えるとマイナス方向に回り出して止まらない「火の車」になってしまう可能性も秘めています。

    そうならないためにジム・コリンズが提唱しているのが「銃撃に続いて大砲発射」の概念。

    つまり、小さな規模で回してみて、うまくいったら大きな規模にして回す、というやりかたです。

    例えばアップルは、iPodという小銃を発射し、続いてiTunesを発射、これらが当たったのを確かめてから大砲iPhoneを盛大に発射しています。

    どうです? この弾み車の概念、なかなか使えそうでしょ?

    みなさんのなかなか回らないプロジェクトも、この本を読んでアマゾンのような大成功をおさめられるといいですね。

    サワダも何本も、回らないプロジェクトを抱えてますが、いつも「弾み車 弾み車」と念仏のように唱えながらコツコツ押し続けています。

    ブックオフで770円 なので2コイン弱ですね