2019 ITU Word Triathlon Grand Final Lausanne
ITU世界エイジグループ
トライアスロン選手権(スイス、ローザンヌ)参戦記 後編
ミカド電装商事 沢田秀二
9月1日(日)
AM6:00起床、いよいよ決戦当日!
日本から持参したウメとジャコの入ったアルファー米にお湯を注ぎ、ホテルの朝食会場に持ち込み、現地入りしてから毎回食べているハムとゴーダチーズをおかずに腹八分目に朝食を終える。
昨夜もアルファー米で夕食をとったが、しっかりとお米を食べると力がみなぎる様な気がするものだ。
やっぱりニッポン人の身体はお米で出来ていると実感。
スタートに合わせて3時間前に会場入りしバイクのセッティングといつも通りの軽めのジョッグからスピードを徐々に乗せていき、心拍数をしっかりと上げていく。
スタート30分前に、湖に入りスイムのウオームアップをするものの、想像していたより水温が低く、手先足先が軽く痺れるほどだ。
「水温が高いから」とウエットスーツの着用が禁止されたことがどうにも解せない。
☆トライアスロンの国際ルールに従い、水温が22℃を超えてしまったため、通常であれば泳ぐときに身に着けるウエットスーツの着用が禁止となった。
実はウエットがあると浮力が増し、速く泳げるので、着用と非着用では大きな差がある(水泳出身者はあまり影響がないらしいが、基礎ができていない自分にとっては非着用は大きなハンディとなる)
いよいよ、9:52のスタートを迎える。
「プォーン」というホーンの合図で 81人の精鋭たちが一斉にスタート!
(各年代カテゴリー別に50名から100人のグループに分かれてのスタートになります。私のカテゴリーは162人でしたので2つのグループに別れてのスタートです。)
ウエットがない分、体が浮かばず、息継ぎと前方確認に難を覚えるが、「条件はみな同じ」と思い、ひたすら前をめざして泳ぐ、泳ぐ、泳ぐ。
湖でも海と同じような「流れ」があるようで、スタートして折り返しまではなかなか進まない、いつものスピード感と異なるため、いつまでたってもゴールが近づく感じがしない。
残念ながら通常のレースより相当遅れてスイムフィニッシュ。
10番目くらいで上がるつもりが、真ん中よりも遅い88番目で上がっていたようだ。(国内レースではいつも1番か2番で水泳を終えているので、激しく動揺)
続くバイクは入念に下見済みのアップダウンをしっかりとこなし、まわりの選手をつぎつぎに追い越してして順位を上げていく。
「のぼりがあれば下りあり」で、長い下りの直線を重いギアでスピードに乗せていくと、メーターは63km/hに達していた。
途中で自分よりも前にスタートしているチームジャパンのメンバーに声をかけながらバイクを先へ先へとと進めていく。
途中で何度か抜きつ抜かれつしていた地元スイスの選手と健闘を称え合い、バイク終了。
バイクのみの順位は18位でまずまずの感じでランへとすすみ、こちらもしっかりと下見をしていたオリンピックミュージアム構内のアップダウンを足にダメージが残るかどうかのぎりぎりのスピードでこなし、ここでも前走者を次々とパス。
周りの選手が遅く感じるほどで、今日はランの調子がすこぶるいい。
あとのことは考えず、思い切って攻めていく事として、スピードを維持。さらにランの残り2kmからロングスパートをかけてみることにした。
最近の練習でよくやっていた、苦しくなってからのスピードアップであるが、アドレナリンが出まくっているのか、苦しさをあまり感じない(これがゾーンってやつか)。
途中で同行頂いてる日本のスタッフから日の丸の小旗を渡されると、いつも応援してくれている人たちの顔が浮かび、思わず顔がほころぶ。
「みんなありがとう、感謝してます!」心の中でこう叫びながら歓喜のゴールへ!
国内のレースでは味わったことのない高揚感と達成感につつまれながらゴールテープを切ることができた。
年代別総合順位は 162人中25位だったがランのみの順位はなんと4位(!)であった。
スイムの異常な遅れが悔やまれるが、バイクとランにおいては、世界でも十分に戦える手ごたえを感じることができた。
以上、正直なところ成績には不満足ですが、しっかりと最後まで走りきることができ、ランに至ってはトップ選手と肩を並べることができたことは今後の自信になり、非常に有意義な遠征でした。
最後に、今回の遠征で快く送り出してくれた会社のみなさん、応援頂いたすべてののみなさまに感謝を申し上げ、報告を終了せていただきます。
レース中の苦しいところで気持ちを切らさずに押し切れたのは、サポートしてくださったみなさんの声が聞こえていたからだと思っています。
おまけ
今回の遠征で平日の昼間にローザンヌの街を自転車で走ってみて、自転車が優遇されていると感じられました。
道路にはほとんどの箇所で自転車専用レーン、自転車専用信号、自転車専用駐輪所があり、なによりも車を運転している人々が自転車に優しい運転をしてくれて、道を譲ってくれます(日本では、専用レーンがほとんどないために一般道を走っているとクラクションを鳴らされたり、幅寄せされたりと邪魔者扱いされている)。
ヨーロッパが自転車発祥の地であることを改めて実感しました。
また、坂が多いためほとんどの自転車が電動アシスト付きで、車と並ぶくらいのスピードで走っていました。
そして驚くことに、自転車を地下鉄にそのままのせて良いようで、専用のスペースがあり、みんな気軽に自転車を持ち込んでいます。
トライアスリートとして、エコで健康にも良い自転車が日本でも、もっと活躍できるようになることを願っています。