リスペクトの意味

    👈 前の記事へ

    次の記事へ👉

    ここ数年スポーツを通じてすっかり日本でもおなじみになった英単語に「リベンジ(revenge)」と「リスペクト(respect)」がありますね。

     
    今回は「リスペクト」に焦点を合わせてお話してみようかなと思います。


    「あなたのことリスペクトしてるよ」

     
    「もう少し自分に対するリスペクトが欲しい」

     
    大抵こんな使われ方をする「リスペクト」。

     
    もし「日本語に訳すと?」って聞かれたら「尊敬」と答える方も多いんじゃないかと思います。

     
    もちろん、英語のテスト的には「尊敬」で正解です。

     
    しかし「尊敬」を英語に訳すと? という問いに対しては、どうやら答えが3つあるそうです。

     
    respectの他の二つは「admire」と「look up to」

     
    そしてこの3つの言葉は詳しく調べると同じ「尊敬」でも少しずつニュアンスが異なるようです。

     
    admireはもともとの語源は「ad=〜に」+「驚嘆する」から来ているそうで、

     
    「だれかの特出した技術や力に暖かい尊敬の念を持つ」という文字通り「尊敬=とうとび+うやまう」に一番近いようですね。

     
    次にlook up to、こちらは「下から見上げる」ということで、「仰げば尊し」的なことで、目上の人や指導者に対する「尊敬」の意味だそうです。

     
    そして最後が私達がよく使ったり耳にするrespect

     
    こちらは先の二つと違って「re=もう一度」+「spect=見る」から来ているそうで、直訳するとなんと「二度見」(ってなんかお笑いっぽいですね)。

     
    「二度見したくなるような人」に対する気持ちを表す言葉だそうで「尊敬」に近いですが、かならずしも対象が素晴らしかったり、偉かったりする必要はなく、人目を引く、とか自分が注目する相手に対して表す気持ちがrespect、ということのようです。

     
    そう考えると先ほどの例文

     
    「あなたのことリスペクトしてるよ」は超訳すると「世の中や他の人の評価はさておき、私はお前のことをいつも見ているよ

     
    「もう少し自分に対するリスペクトが欲しい」は「自分のことをもう少し見て欲しい

     
    ということになりますね。

     
    リスペクトを漢字にすると、たぶん「尊敬」というよりは「尊重(そんちょう)」というほうが適切なのかな?

     
    私の世代で「respect」といえば「クイーン・オブ・ソウル」ことアレサ・フランクリンの歌の題名「respect」が頭に浮かびます(もともと歌ってたのはオーティス・レディング)。

     
    アメリカで男女同権運動が盛んなってきた頃ヒットした曲ですが、まだ立場が低かった頃の女性からの積極的な(しかし控えな)愛情表現として「respect=大切にして」が命令形で使われています。

     
    最近respectといったらBTSの歌が有名なそうで・・歌詞を調べてみたら・・

     
    respect、つまり相手を尊重する気持ちが愛より上位なんじゃないかという主張と、respectという言葉の独り歩きに対する非英語圏の若者のとまどいが実にうまく表現されていました。

       
    ここんとこしばらく、音楽ネタが続いてますが、実は私自身できる楽器はリコーダーのみ、歌も鼻歌程度です。