お客様に聞きました⑦ ~株式会社仙台協立 様~

    みかドン ミカどん

    ミカド電装商事のお客様をご訪問して、お仕事の内容やエネルギーマネジメントへの取り組みを伺うシリーズの7回目です。今回は当社代表取締役の沢田秀二と編集部が、株式会社仙台協立様をご訪問して代表取締役の氏家正裕様にお話を伺いました。

    COMPASS(仙台協立第1ビル)

    株式会社仙台協立様は、仙台市などに12棟のビルを所有される賃貸不動産業の会社です。そのうちの10棟が青葉区内にありほとんどが仙台の中心部です。同社の所有するビルはオフィスビルから雑居ビル・マンションまで幅広く多様であることが特長で、築年数の経過した建物をモダンな内装にリノベーションして付加価値を高めている街中のビルには、飲食店から上場企業まで様々なテナント様が入居されているとのこと。

    仙台協立様は当社のCO2削減ポテンシャル診断を受診された後、宮城県の令和3年度『みやぎ二酸化炭素排出削減支援事業補助金に採択され、県の補助を得て空調設備の更新を実現されました。ミカド電装商事では今回の導入にあたり、診断事業のほか補助金申請のコンサルティングを担当させていただきました。

    高効率設備等導入事業 採択事業一覧(PDF:567KB)

    ※今回は同社のCOMPASS(仙台協立第1ビル)にある貸会議室でお話を聞かせていただきました。(文中の敬称は省略いたします。)

    20代で入社して最初の仕事が総工費8億円

    氏家正裕代表取締役(左)とミカド電装商事の沢田

    沢田 今日はよろしくお願いいたします。最初にお聞きしますがこのお仕事をされてどれぐらいになりますか?

    氏家 仙台に戻ってきたのが98年ですから24年ですね。その前は東京で橋梁や新幹線の軌道スラブ(レールを乗せる路盤)のようなコンクリート構造物をつくる会社にいました。

    この会社は祖父が設立して僕で3代目になりますが、最初の仕事が総工費8億のレジャーホテルだったんですよ。今はもう売却してしまいましたが、その頃は若かったので(29歳)専門誌を買って何度も収益をシュミレーションして・・・けれど自分の見通しが甘くてそのうち圧倒的に人手が足りなくなり今度はフロントからベッドメイクまで全部やりました。そのときのアルバイトがグループ会社(日本商事/ビル管理会社)の今の専務なんです。

    現在所有しているビルは12棟あって、そのうちの10棟が青葉区です。残りのうち1棟が名掛丁連絡通路(仙台駅北側)に直結するビルで、これは宮城野区で初めて建てた2019年竣工の建物です。それと去年は東京の世田谷区で店舗・居住用ビルを1棟購入しました。

    沢田 どんどんビジネスを広げていらっしゃいますね。

    氏家 確かに僕が入社した時には建物が4件と駐車場でした。それに更地が何か所かあったと思いますが、それをうまく活用させていただいたという感じです。

    沢田 氏家社長の代でそれを2倍にされたというのはすごいことでは?

    氏家 それは(先代からの)ベースがあったからです。0を4~5にするのと、4~5を10にするのとでは違うんです。だから今後も広げようと思えば広げられると思いますが、大きくなるとリスクも増えるので、今ぐらいがちょうどいいように感じています。

    賃貸ビルのエアコン更新はタイミングが重要

    今回の更新で仙台協立様のオフィスの空調も省エネ型の新品に

    編集部 補助金を利用しようと思ったきっかけはなんだったのですか?

    氏家 今回は当社のオフィスがある、ここの隣のビル(仙台協立第2ビル/1階に晩翠画廊が入居)のエアコンを全て入れ替えたのですが、実はすでに耐用年数を大幅に超えていたんです。それで電気も食うしパワーも足りないしどうしようかな、と思っていた矢先に、面識のある沢田さんから「補助金がある」と伺ったのが直接のきっかけです。

    そろそろだよね、という気持ちはあったんですけど、ダメになったものから1台ずつ交換していくという方法もありますし、それまでは結論を先延ばしにしていました。

    ただ、1台ずつ交換していく方式はビルの存続年数を考えるとそんなにいい方法でもないんですよね。たとえば1年後に解体が決まっているような古いビルでも、移転先の決まらないお客さんがまだ入っている状態でエアコンが壊れてしまうと、その時点で新品のエアコンを入れなくてはならくなります。

    そう考えると空調設備もビル自体のライフサイクルに合わせていかないとタイミングがずれちゃうんですよ。ですが、いざやるとなるとお金がかかることなので、二の足を踏んでいたということはあります。

    ケーズバイケースのプランを提案していただきました

    編集部 実際にミカド電装商事を利用されていかがでしたか?

    氏家 宮城県から500万円の補助金の交付を受けて今年の1月にすべての工事を終えることができました。補助金の申請は手続きが煩雑なので最初はそこにスタッフのリソースが割けないのではないかと思っていました。けれど、担当者の話ではだいぶお手伝いをしていただいて想像したより楽だったようです。

    補助金も色々な業者さんがいてサポート契約も様々のようですが、我々には不透明で何が適切か判断がつきにくいんです。けれど、今回は沢田さんの会社ということで進めやすかったですし、それが大きいですね。

    沢田 ありがとうございます。

    氏家 補助金のコンサル会社さんの中には「絶対確実」という言い方をする人もいるようですが、もしそれで採択されなかったら工事はしないのか?など、色々考えてしまいます。今回沢田さんからは「100%確実な話ではない」というのは聞いていて逆に信用がおけましたし、その大前提を元に申請先や予算と工事内容の組み合わせを、ケースバイケースで何通りかご提案いただきました。結果的に通らなかった申請もあるんですけど、宮城県からは最大金額まで出ましたし、何より、やるなら今しかないという気持ちで決断しました。

    今思えば本当にベストなタイミングでした

    COMPASS(仙台協立第1ビル)の貸会議室にて

    沢田 省エネ型の新しいエアコンはいかがですか?

    氏家 電気の使用量やCO2の削減率などは僕よりスタッフのほうが詳しいと思うんですが、当社のオフィスに関して言えば、暖房の効きがよくて暖かくなりました。以前はパワーもへろへろだし霜取り中とか言ってよく止まって寒かったんです、うちはだいぶ”換気のいい”ビルなので(笑)・・・でも今は誰も足元にヒーターを置いていないんじゃないかな。

    そして何よりも、今思えばタイミングが非常によかったです。エアコンが値上がりする前に工事に着手できましたから。

    沢田 本当に値上がりする前でしたね。そのあと今度はモノが入って来なくなった。

    氏家 あのときは半導体がなかったんですよね。コロナの世界的な影響もありましたし、だから発注タイミングとしてあれを逃すと次はないっていうのがちょっとあったんです。しかも今度は電気代も大幅に値上げされてしまって・・・

    沢田 一気に高くなりましたね。

    氏家 そうなんです。うちは東京電力なんですが7月からぐっと上がりました。正直、ここまで高くなるとは思っていませんでした。それをそのまま上乗せしてテナントさんに請求しても「燃費の悪い古いエアコンをそのままにしてお金だけ取るのか?」と反発されてしまうかもしれません。ですが省エネ型のエアコンを導入したことで電気代の値上げ分をある程度吸収できる可能性もありますし、こちらも努力していることをわかっていただける機会にもなったと思います。

    やはり物事がうまくいくときには、いい流れってありますよね。単に申請サポートだけのビジネスライクなつながりなら、補助金が降りなければやらない方向だったかもしれませんが、ミカド電装さんには様々なパターンを想定して親身に相談に乗っていただきましたし、背中を押してもらいました。こういうのは本当にご縁だと思います。

    沢田 そう言っていただくとうれしいです。

    ”省エネ”イコール”コスト削減”

    氏家 今後は当社もSDGsをより意識して、それに沿った目標設定などを行っていく予定ですが、エネルギーに関して言えば省エネって結局コスト削減に直結すると思うんですよね。そういった意味からも、我々はテナントさんに選んでいただけるように一層意識を高めていかないといけないと思います。

    沢田 確かにそうですね。今回は貴重なお話を大変ありがとうございました。氏家さんは定禅寺通りのまちづくり活動にも取り組んでいらっしゃるので、今度はぜひそちらのお話も聞かせてください。

    編集部のひとことコメント
    一見、真面目にお話をされていますが氏家社長と当社の沢田は実はトライアスロンの練習仲間だそうです。レースになると常にトップを競い合う仲らしく、最近、氏家社長のブログを拝見したら、なんと写真に沢田が映っておりました。道理でお話が何度も脱線すると思いました(笑)

    取材先:株式会社 仙台協立 代表取締役 氏家正裕 様
    取材日:2022年10月12日
    取材者:ミカド電装商事株式会社 代表取締役 沢田秀二 ミカドONLINE編集部