今回は事前にあまりイメージできない、
設置やメンテナンス上の意外な注意点をお伝えします。
メガソーラーは出力が1000KW(1MW)以上の太陽光発電設備です。
規模により1日数十万円以上の大きな売電収入が見込める反面、
不具合が起きたときの影響も予想外に大きく、安定運用のためには
モニタリングと保守が大変重要になってきます。
また、そこへの費用が嵩まないように設置計画段階から十分に
意識しておく必要があります。
まず、太陽光パネルですが、
使っている半導体素子はどのメーカーもあまり差がありません。
ですが半田技術やパッキング技術のない国で作られたものは、断線や密閉の甘さから
故障になることがあります。
実際に中に水蒸気が溜まって曇っているパネルもよく目にします。
また、パネルは雨風に耐えられる強度を持っていますが、
意外に弱いのが裏面です。
視界を遮るものが何もないような広い敷地に、角度をつけてパネルを野立てする
メガソーラーの場合は、裏面に吹き込む風の風圧も大きく、小石や砂埃などで
裏面が破れたり傷つくこともあります。
太陽光発電では一枚のパネルが故障すると、その一列全体の発電が止まるため
収益にも大きく響きます。
パネルの強度や信頼性が収益を左右することになりますが、
実際には交換が必要になるパネルも少ないようです。
↓↓↓
https://homepage-town.jp/mikado-d/reference/201403.html#01
次にパワーコンディショナーですが、現在は「大型集中化」と「小型分散化」の
二つの流れがあります。
初期コスト軽減と運用効率を図って、500KW2台など大型のパワコンを
設置するケースもありますが、発電の安定を重視し小型のものを多数使って
リスク分散を図っている施設が多くあります。
パワコンもパネル同様に故障が皆無とは言い切れません。
大型2台の場合は一台が故障すると発電量は半減してしまいますが、
小型が多数の場合は少ないロスで済みます。
故障の監視は日照計と連動したシステムを使い、日照量と発電量のギャップから
検出して行く仕組みが多いようですが、その際も小型のパワコンは守備範囲が
狭いので故障個所を見つけやすく、問題のパネルを特定して
すみやかに保守・メンテを行う点でメリットがあります。
パワコンは直流を交流に変換するだけでなく、系統連系している電力網の状態を
常に監視して、出力を抑止したり停電や瞬停時には出力を停止したりするなど、
複雑な制御をしています。
そのため雷などでも止まることがありますが、メガソーラーの場合は人里離れた場所で
無人運用される事が多いため、遠隔監視によるモニタリングが必須です。
この仕組みがなく一か月以上も停止に気付かなかったメガソーラーも実際にあるそうです。
一方、落雷で遠隔監視やアラームのシステムまで停止しても、
担当者が毎朝スマートフォンで発電状況の確認をしていたため、
すぐに異常がわかったケースもあります。
メガソーラーは他にも日陰を作ってしまう雑草対策や除草費など、
敷地が広い分だけ設備以外の部分でも想定外の費用がかかる場合があります。
太陽光発電事業はメンテナンスフリーのイメージがありますが、
事業者が意識を持って丁寧なメンテナンスを心がけていくことが、
収益性を上げていく近道なのではないかと思います。