インタビューで当社の歴史を振り返る「ミカド電装マイヒストリー」のシリーズです。沢田元一郎会長の二回目は当社の持ち株会社であるエースユナイテッド(株)についてお話を伺いました。
雇用の継続と会社の存続を目的に持株会社の設立を決意
編集部 今回は当社の持ち株会社であるエースユナイテッド株式会社(以下エースユナイテッド)についてお話を聞かせてください。沢田会長はエースユナイテッドの社長でもあるわけですよね。
沢田元一郎会長 はい。エースユナイテッドはミカド電装商事や、プログラミング教室などの教育事業を行っているソシオスイーパトナーズ(株)を取りまとめる持株会社で2017年に設立しました。社名はそれぞれの事業会社がエース級になるように、ユナイテッドは連合体という意味合いで命名しました。
編集部 持ち株会社を設立した一番の理由は何ですか?
沢田元一郎会長 雇用の存続や経営体制を強化したかったからです。
お陰様で当社はいまの社名で事業を開始してから60周年を迎えますが、設立当初は意思疎通ができていた株主同士も、2代目、3代目とそれぞれが代替わりしていくうちに、相互のつながりも会社への関りも段々希薄になっていくので、株主会議を開いて何かを決めようとしても意見がまとまらず、意思決定に時間がかかる可能性があります。
会社の存続や社員の皆さんの雇用を継続していくうえで、その状態は早急に解消していくべきだと考えたので、拡散していた当社の株を買い戻し、いったん持株会社に集約させたのがエースユナイテッドホールディングスです。
編集部 ホールディング化したことでどんなメリットがありますか?
沢田元一郎会長 大きく二つあります。一番ははやり組織の強化ですよね。会社が長く続いていくためには、時代に合った戦略とタイムリーな意思決定が欠かせませんが、持株会社が事業会社の完全なオーナーになることでそれがより強固になったと思います。引いてはそれが社員の皆さんの雇用の継続にもつながっていくはずです。
それと二番目は多角経営を可能にする柔軟性です。ひとつの事業会社の中に全く業務の異なる別部門をつくるのは大変ですし、働く方達のストレスにもなります。たとえばプロスタキッズのような小学生向けプログラミングスクールですと、土日に一番生徒さんが集まるので休みにはできませんし、勤務時間も異なります。業種ごとに別会社をつくっていったほうが個々にまとまりが生まれ、一本の木に次々と実をつけるブドウの房のように拡張性があるんです。
入社した時の衝撃が原動力になっています
編集部 エースユナイテッドによって会長の熱い思いが形になったんですね。
沢田元一郎会長 26歳で入社したときに一番衝撃を受けたのは何だと思いますか?それは自分の手取り額が東京時代の1/3に減ったことなんです。「皆と同じ給与体系にしてほしい」と告げたのは自分なので、それで驚くのも恥ずかしいお話ですが、当時は我々のような会社の給与が低く、私も独身で実家にいたからこそやっていけた金額でした。
ですが収入はやはり生活の柱ですし、幸福な家庭生活や仕事への意欲の源です。仕事を通じて社会に貢献するだけでなく、時代の変化に軽やかに追随できる息の長い経営で、社員の皆さんの幸せにも貢献していきたいと思っています。
編集部 当社のキャッチフレーズは未来に貢献する企業ですが、会社が柔軟な体制で長く続いていくことが、お客様の幸せにもつながると思います。今日は深いお話をありがとうございました。
(インタビュー 2020.9.8)