
実は補助金サポートに半信半疑でした ですが今は本当にやってよかったです

ミカド電装商事のお客様をご訪問して、お仕事内容やエネルギーマネジメントへの取り組みを伺うシリーズの12回目です。今回は当社代表取締役の沢田秀二と編集部が、イケダ工機株式会社様をご訪問して代表取締役社長の池田広史様にお話をお聞きしました。(文中の敬称は略します)

イケダ工機株式会社様 (以下、イケダ工機様)は、宮城県角田市でOA機器向けユニットの一貫組立・設計開発を手掛ける会社です。
イケダ工機様は当社のサポートにより宮城県と経済産業省の補助事業に採択され、事業費約240万円(税抜き)の空調設備の一部入れ替えに対し6割以上の補助を得て、昨年12月に工事を完了されました。
【宮城県】「令和6年度みやぎ二酸化炭素排出削減支援事業」補助率:設備費+工事費の1/2
【経産省】「令和5年度補正予算 省エネルギー投資促進支援事業」補助率:設備費の1/3
ユニット部品の組み立て工程を事業にしている工場です

沢田 昨年エアコンを更新されましたが今年の夏はいかがでしたか?
池田 快適でした。ずっと不調でしたので、あのままなら私、ラインの皆さんに今ごろ何を言われていたかわかりません(笑)働く環境はやはり大事だと思います。中の人たちだけでなく、ハローワークの求人を見て職場見学に来てくださった方の第一印象もよくなりますので、人の募集も年々大変になってくる中で助かっています。
沢田 御社の主な業務は複写機の「ユニット組み立て」とのことですが、これはどういったプロセスなのですか?

池田 複写機にはドラムユニットとか排紙ユニットとかICユニットなど、様々なモジュールがあります。それらを組み立てる仕事で、業界ではアセンブリと呼ばれています。
たとえばメーカーさんから特定のユニットのご注文をいただくと、まず生産計画を立てて必要な部品を協力会社さんに発注し、生産管理システムで納期設定やスケジュール管理をしながら、ここで組み立てたユニットを納品する・・・というのが、ざっくりとした説明になります。
だから複写機の本体をつくっているわけではありませんし、何かの加工を行うわけでもありません。あくまでも「組み立てる」のが弊社の仕事なんです。それに複写機といってもオフィスにあるような複合機ではなく、もっと大きくて印刷会社さんとかが使うようなものです。オフィスサイズの量産品は、今はすべて海外でつくっているんです。
沢田 なるほど。付加価が高い生産を行っていらっしゃるんですね。スタートはお父様が始めた東北リコーの衛星工場と伺いましたが。
池田 はい。今もメインのお客様です。私の父は元々東京のリコーで資材を担当しており、そこから独立をしてベアリング商社をやっていました。その後、リコーさんが柴田町に工場をつくるときに、東北リコーの衛星工場としてユニットのアセンブリをやってみないか、と誘われたんです。それが今の事業のきっかけです。
沢田 今までとはまったく異なる仕事なのに、思い切った決断でしたね。
池田 そうですね。うちの父はノウハウがなかったので、当初はリコーさんから応援をいただいていたと聞いています。やがて、できるだけ手前の段階からお客様のお手伝いをさせていただくことで事業としての独自性が高まり、それが今に至っています。私の代になってからは医療機器用のハーネス(配線ケーブル)やお惣菜パックの自動包装機なども手掛けています。また、この工場をつくるときに導入したT-PICSという生産管理システムのコンサルなども行っています。
沢田 そうですか。私どもミカド電装商事も何度か取り扱い商品を大きく変えてきた歴史があります。とても共感できるお話ですね。
半信半疑でしたが、やってみて「楽ちんだ」と思ってしまいました

沢田 当社の補助金サポートを活用された感想をお聞かせください。
池田 ミカドさんに初めてお目にかかったのはサンユウさん(設備業/本社青葉区折立)のご紹介でしたよね。
沢田 はい。同社の佐藤社長にうちでやっている補助金サポートの件をお伝えしたら、ほどなくイケダ工機さんを紹介してくださったんです。
池田 空調はこの工場を建てた1998年からのものだったので、最近調子が悪くてずっと気になっていたんです。それにうちは環境系のISOを取得しているのでCO2削減にも取り組んでいかなければなりません。今回利用した省エネ設備導入の補助金は知っていたのですが、自社で申請に取り組むと準備が大変で負担が大きいことを過去に経験していたので業務の状況的に「今は無理」と考えていました。
沢田 実際にやってみてどうでしたか?
池田 国と県の補助金を併用して大幅に経費削減ができることを今回初めて知りました。実は少々疑っていたんですよ。以前も別な会社さんのサポートを受けたことがあるのですが、思った以上にこちらでやることが多くて苦労したんです・・・。けれど佐藤社長のご紹介ですし、ここは信じてみようと思いました。

結果的にいいタイミングで設備更新ができて本当によかったです。感想ですか?実は私、何もしていないんです(笑)そういうと誤解されそうですが、ミカド電装商事さんに面倒な部分をかなりお手伝いをしていただきましたし、工事を担当するサンユウさんがは日程を組んでスケジュールを調整してくださるなど、正直言って「楽ちんだ」と思いました。
それに御社の菅家さんの説明が非常にわかりやすく丁寧な対応でしたので、むしろ補助金よりも御社の教育体制のほうに興味を持ってしまったぐらいです。
沢田 ありがとうございます。うれしいです。お客様の困りごとを「困りごと」にしないのが私どもの仕事なので、私を含めたメンバー内でその辺を常に話し合っているんです。
今期も残りのエアコン更新で補助金活用のご依頼をいただきましたが、様々な補助金を利用して我々と同じ中小企業のお役に立ちたいと思っていますし、今回の様に設備業や建設業の皆様にも補助金を活用して顧客サービスを強化できることを知っていただきたいです。本日はありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
取材先:イケダ工機株式会社 代表取締役社長/池田 広史様
取材日:2025年7月17日
取材者:ミカド電装商事株式会社 代表取締役 沢田秀二 ミカドONLINE編集部
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工場見学では工夫をこらした自社開発のはめ込み機や、職人芸のようで見ていて飽きない医療用ハーネスの装置など、興味深い機械をいくつか見せていただきました。ときにユーモアを交えながらわかりやすく解説をしてくださる池田社長のお話が印象的でした。