当社は蓄電池(バッテリー)を扱う会社ですが、そうお伝えすると多くの方に「車のバッテリーですか?」と聞かれます。ミカド電装で扱っている蓄電池は産業用蓄電池と呼ばれ、主に建物の非常用電源や太陽光発電などに使われるものです。皆さまの疑問にお答えして産業用蓄電池について簡単に解説するシリーズ第2回目は非常用電源としての蓄電池について当社の表(おもて)部長に伺いました。※全記事はこちら
蓄電池をつかうためには整流器が必要
編集部 上の写真のようにむき出しのまま並べて設置する蓄電池もあるんですね。
表 ラックに入れたりもしますが、色々です。働きは同じです。
編集部 前回は自家発電にも蓄電池が必要というお話を伺って記事にしたのですが…
表 蓄電池だけで非常用電源とする場合もあります。上の写真は通信機器への電源をバックアップする蓄電池だったと思いますが、商用電源(電力会社の電気)は交流で蓄電池は直流なので、蓄電池に充電するためには、交流を直流に変える整流器を手前に置いてやる必要があります。そして非常時でも動かしたい機器が交流ならまた整流器で交流に戻して流しますし、直流ならそのまま繋げます。
編集部 蓄電池も電気室の中に設置されると思いますが、配置の順番としてはどうなるんですか?
表 えーと・・・ですね・・・
(編集部)※表部長が解説をしてくれたので、以下の動画をぜひご覧ください。
電池の大きさと数は目的次第
編集部 直流で動く装置にはどんなものがあるんですか?
表 通信用の装置などは直流で動くものがあります。その場合は蓄電池の向こうに整流器は要りません。整流器と蓄電池をセットにして直流の電源を装置側に供給してやる『直流電源装置』と呼ばれるものもあります。
編集部 蓄電池の数はどうやって決めるんですか?
表 例えば通信用の装置だと、だいたい直流の48ボルトなので、1個が2ボルトの鉛電池の場合だと24個必要な計算になりますが、余裕を持たせて少し多めに入れたりします。あとは、電気をたくさんつかうのか?長くつかうのか?によっても電池の大きさや数が変わってきます。停電した時に非常用照明だけ点けばいいというなら、電池は小さくていいんですが、通信機器なんかは重要じゃないですか?そういう場合はたくさん使って長く持たせたいので電池は大きくなります。(両手を動かして)こんなに大きいものもありますよ。
編集部 それじゃ持てないですよね。
表 そういうレベルじゃないですね。補水で水を入れるじゃないですか、それがバケツ3杯ぐらいとかね。それを24個×3並列とか、バックアップしたいものの容量と時間が大きければ必然的に電池も大きくなりますし、数も増えます。
リチウムも増えています
編集部 そのぐらいの設備だと電気室も広くて床も頑丈じゃないとダメですね。
表 そうですね。大きなところだと当社の敷地ぐらいは余裕であったりしますよ。
編集部 えー!
表 そういう意味でも、鉛に比べて軽くて場所も取らないリチウムイオン電池は、面積や床の強度など、建物の都合で採用していただくケースも増えています。
当社のお客様は電力会社や鉄道会社など大きな設備も多いのですが、今、話したように非常用電源は蓄電池だけでなく、整流器や直流電源装置などと組み合わせて使うケースも多いので、お客様のご希望の装置を納入したり保守・点検をしたり、コンパクトな設備の場合はシステム全体のご提案をしたりしています。
編集部 ありがとうございました。
(➡次回:③忘れられている点検の重要性)