【法則の法則】Season2「ケプラーの法則」非常識が生んだ常識_39号

    惑星の動きを表す3つの法則です。

    ドイツの天文学者ケプラー(1571-1630)は、
    師のティコ・ブラーエが観測した膨大なデータを
    時間をかけて詳細に分析し、
    (第一法則)
    それまで正円であると信じられていた惑星の軌道が、
    「太陽を焦点のひとつとする楕円である」
    ことを発見しました。

    また、
    (第二法則)
    「惑星と太陽を結ぶ動径の描く面積速度は一定である」
    ことを発見し、太陽に近付くと速くなり、
    離れると遅くなる惑星の速度変化も
    この法則で論理的な説明を可能にしました。

    ※面積速度に関してはこちらをご覧ください。
    ↓↓↓
    https://rikanet2.jst.go.jp/contents/cp0320a/contents/rekishi/answer06/index.html
    (独立行政法人科学技術振興機構 理科ねっとわーく<一般公開版>より)

    ケプラーはその後も計算に計算を重ね、ついに
    (第三法則)
    「惑星の公転周期の二乗は軌道の長半径の三乗に比例する」
    ことを数式として明らかにしました。

    ケプラーが電卓などない時代に
    面倒な計算を辛抱強く何年も続けた背景には
    宗教上の信念がありました。

    彼は”自然界には神が与えた整数の秩序がある”
    と信じて法則の発見にこだわったのです。

    科学では非常識から真実が
    生まれることもよくあります。

    ケプラーが惑星の動きを解明したことで
    地動説がゆるぎないものになり、
    今では「地球が動いている」のは常識となりました。