今回のテーマはカーボンニュートラルチャレンジ2050です。ネットで検索すると様々な団体さんが業界を挙げて取り組んでいる様子が伺えますが、どうやら公的に定義された用語ではないようです。
「カーボンニュートラルチャレンジ2050」とは?
「カーボンニュートラルチャレンジ2050」に取り組んでいる企業や業界団体が増えています。身近なところでは、2021年3月から東北電力グループも取り組みをスタートさせました。
そこで編集部では「カーボンニュートラルチャレンジ2050」を今回のテーマにして用語解説を皆さんにご提供しようと思ったのですが、ネットを探しても解説記事や公的なサイトが出てきません。
「カーボンニュートラルチャレンジ2050(CN2050、CNC2050)」はどうやら国内外のイニシアチブや政府機関などが定めたオフィシャルな用語ではなく、それぞれの組織が任意で使っているオリジナルな取り組み名称のようです。
そこで期間を絞ってGoogle検索してみるとこの言葉を初めて使ったのは日本ガス協会だと思われます。さらにInternet Archiveで過去の履歴を調べてみると、同団体のサイトに「カーボンニュートラルチャレンジ2050」という文言が初めて登場したのは、2020年の9月から2021年の1月までの間ということがわかりました。
あくまでも推測ですが、全社・全団体あげて2050年までにカーボンニュートラルの実現に取り組む「カーボンニュートラルチャレンジ2050」という名称は、一番最初に日本ガス協会が使い始めたものが、どんどんほかの会社や団体にも広がっていったのかもしれませんね。(あくまでも推測です)
カーボンニュートラルはプラ・マイ・ゼロの発想
では、この記事の本来に主旨に戻り「カーボンニュートラルチャレンジ2050」という名前の元になった「カーボンニュートラル」とは、そもそもいったい何なのでしょうか。
環境省ではカーボンニュートラルを”温室効果ガスの
ここでいう「均衡」とは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」から植林、森林管理などによる「吸収量」を差し引いて、全体として排出量をプラスマイナスゼロにするという考え方です。
ちなみにニュートラルは「中立、中間」を意味する言葉です。マニュアル車の経験がある私のイメージでは、ニュートラルというとギアの位置や偏りがないフラットな状態を思い浮かべますが、英語ではまた違うニュアンスがあるのかもしれません。
個人レベルの認知度はまだまだ低い言葉です
「カーボンニュートラル」を最初に国家目標にしたのはノルウェーのイェンス・ストルテンベルク首相(当時)です。ストルテンベルク首相は2007年という早い時期に、カーボンニュートラルを2050年までに実現する政策目標を打ち出しました。
そして同じ年にGoogleや香港上海銀行(HSBC) 、Dellなどのグローバル企業も次々と「カーボンニュートラル化宣言」を発表し、「カーボンニュートラル」は世界的に浸透していきました。
「カーボンニュートラル」という言葉自体はその前年(2006)のアメリカ英語の辞典「ニュー・オックスフォード・アメリカン・ディクショナリー」でワード・オブ・ザ・イヤーに選ばれており、当時のゴア米副大統領やロックバンドのローリングストーンズが指示するなどして、すでに注目を集めていたようです。
その後、2015年のパリ協定では
世界的な
今世紀後半に
という二つの項目が世界の長期目標として採択されました。日本でも菅首相(当時)が所信表明で「2050年に温室効果ガス排出ゼロ」を宣言し、2050年を目指したカーボンニュートラルへの取り組みが加速し始めました。
ですが、ソーシャルグッドCatalyst が全国の20〜60代の男女1000人を対象に実施した調査では言葉の認知度は58%とまだまだ低く、個人レベルでは知っている人と知らない人の差が大きい印象です。
この記事を読んだ方に言葉の意味を知っていただければ、当社のこのサイトも少しは地球環境に貢献できているのかな?などと思ったりします。
(ミカドONLINE編集部)
東北の脱炭素・設備の省エネのご相談はミカド電装商事へ
参考/引用記事:カーボンニュートラルとは – 脱炭素ポータル|環境省 カーボンニュートラル(気候中立)とは・意味 | 世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン | IDEAS FOR GOOD Norway Advances Date for Going Carbon-Neutral By 20 Years to 2030 – Green Car Congress カーボンニュートラル | 時事用語事典 | 情報・知識&オピニオン imidas – イミダス 米国ワード・オブ・ザ・イヤーに「カーボン・ニュートラル」 | 世事熟視~コソダチP など
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