天体:空の現象録(3)4月の夜空を彩る金星「宵の明星」

    日が沈んだあとの西の空に、ひときわ明るく輝く星のような光を見かけたことはないでしょうか。それは「宵の明星」と呼ばれる金星かもしれません。

    宵の明星と三日月(画像:photo AC

    金星は、夜空で太陽や月に次いで明るく見える天体です街明かりが多い場所でも比較的見つけやすいことで知られています。遮るものがなければ一目で見つけることができます。
    その明るさから、古くから人々に親しまれ、夕方に見える金星は「宵の明星」、明け方に見える時には「明けの明星」と呼ばれてきました。

    金星の明るさの由来

    金星は大きさや質量が地球と似ており、双子星とも呼ばれる天体です。金星は自転が非常に遅く、1回転するのに地球の1年より長い時間がかかります。他の惑星とは逆向きに自転しており、太陽が西から登って東に沈むのも特徴です。

    金星と地球(画像:Gemini)

    金星が明るく見える理由は、地球に比較的近い(太陽から2番目の近さ)惑星であること、そして金星を覆う厚い雲が太陽の光を強く反射していることにあります。地球の反射率が30%であることに対し、金星は78%と高い反射率を有しています。

    金星の輝きは非常に強く、条件が良ければ「本当に星?」と思うほど。
    天体観測に慣れていない人でも見つけやすいため、天体観測の入り口としても人気の天体です。

    4月は宵の明星の見頃

    宵の明星は4月上旬〜下旬、まさに今の時期が見頃を迎えます。日没直後に西の低空に明るい星が見えたら、それは金星かもしれません。

    4月19日には、新月を過ぎたばかりの非常に細長い三日月が金星に寄り添う、美しい光景が見られました。金星の強い輝きと並んで、普段見えている三日月よりも繊細で綺麗な形に見えたことでしょう。

    「もう見頃を過ぎてしまった?」と思わった方もいるかもしれませんが、金星のショーはこれからが本番です。
    5月の金星は、4月よりも日没時の高度が高くなります。街中のビルや山の陰に隠れにくくなり、より長い時間その輝きを楽しむことができます。
    また、5月19日の夕暮れには、再び三日月と金星のコラボレーションを楽しむことができるようです。今回見逃してしまったという方にも、もう一度チャンスがやってきます!

    5月20日には月が木星にも近づくため、5月中旬の西の空は非常に賑やかで豪華な眺めになります。日ごとに少しずつ位置を変えていく様子を追ってみると、惑星が動いていることを実感できます。

    帰り道に見える明るい星が、なんなのか知っているだけでいつもと少し気分が変わるかもしれませんね。
    この春はぜひ、夕暮れの空に輝く「宵の明星」を探してみてはいかがでしょうか。

    参考:宵の明星 金星-アストロアーツ,日本の季節を楽しむ暮らし 暦日記-宵の明星,Forbes JAPAN-西の夕空に光る一番星、「宵の明星」のシーズンが始まった 細い月との共演も