

ロープウェイというと、観光施設やスキー場などに設置されており、どこか「特別な移動手段」といったイメージがありますよね。そんなロープウェイが、私たちの生活に馴染む日がもうそこまで来ています。
道路渋滞、公共交通の維持コスト、運転手不足など、都市交通は様々な問題を抱えています。
こうした課題を解決する新たな移動手段として注目を浴びているのが、自走式ロープウェイ「Zippar(ジッパー)」です。

Zipparは、Zip Infrastructure株式会社が開発を進める次世代の交通システムです。道路上空を走行する都市型ロープウェイとして構想されています。なんとも近未来的な作りですね。
従来のロープウェイとは違い、ワイヤーで車両を引っ張るのではなく、車両自体にモーターとバッテリーを搭載しているため、自走する点が大きな特徴となっています。
ロープウェイなのに曲がることができる
スキー場などに設置されている従来のロープウェイは、ロープに車両が固定されているため、基本的に直線でしか走行することができません。短期間で設置でき、低コストで作れるという利点もありますが、「曲がれない」という大きな弱点を抱えています。

しかし、Zipparは違います。Zipparはロープやレールを地上側に固定し、その上を車両が自ら走る構造を採用しています。車両自体が動くことで、カーブや分岐にも対応できる柔軟な路線設計が可能となりました。

これまで難しかった「道路上空へのロープウェイ設置」を現実的にする技術として注目されています。
モノレールから大幅なコストカット
ロープウェイは低コストという特徴がありますが、Zipparはロープウェイの構造を活かすことで、従来の高架交通インフラと比較して低コストでの整備を目指しています。
Zip Infrastructureによると、建設費は1kmあたり約15億円と既存のモノレールに比べ、約1/5のコストに抑えられます。また、建設期間についても1年と短期間で設備を整えることができます。
この低コスト性により、これまで採算面から導入が難しかった地方都市や、ラストワンマイル交通(物流拠点から個人宅や店舗へ届ける)への活用も期待されています。
宇宙エレベーター研究から着想を得た技術
Zipparの開発背景には、少しユニークなストーリーがあります。
開発元であるZip Infrastructureの代表・須知高匡氏は、大学時代に宇宙エレベーターの研究を行っていました。
宇宙エレベーターの実現には長期的な研究支援と技術蓄積が必要であり、その基盤づくりとして「まずは現実社会で実装できる技術から始めよう」と考えたことが、Zippar開発のきっかけとされています。ロープに沿って車両が自走するというZipparの仕組みには、宇宙エレベーター研究で培った技術思想が活かされています。
社会実装に向けた課題も
Zipparはすでに試験線において、人を乗せた走行試験にも成功しています。
一方で、社会実装に向けては、
・複数台運行時の制御
・事故・故障時の安全対策
・救助方法の整備
など、安全性や運用面の課題も残されています。
現在はこれらの検証を進めながら、実用化に向けた開発が進められています。
私は普段車通勤をしていますが、通勤・帰宅ラッシュはどうしても渋滞に巻き込まれてしまうことがストレスです。同じような方も多いのではないでしょうか。
Zipparが導入されれば、もっと移動に対するハードルが下がるかもしれません。
電車やバスは人手が必要であるため、どうしても地方だと運行スケジュールが限られてしまいますが、自走式のZipparであればそういった問題も解消につながる可能性があります。
全国に導入されるのはもう少し先になりそうですが、今から楽しみですね!
参考:Zip Infrastructure株式会社-都市型索道(ロープウェイ)Zippar,Hama Tech Channer-南相馬から未来へ走る。自走式ロープウェイ「Zippar」が描く“次世代交通システム”のかたち──Zip Infrastructure代表 須知高匡氏インタビュー,自走式ロープウェイについて – 神奈川県ホームページ





























