雑草:名もなき草の名(32)どこでも見かけるオニ ノゲシ。実はレタスの親戚だった?

    みかドン ミカどん

    今回は誰もがどこでも見かけるオニノゲシのご紹介です。名前にオニ(鬼)がついているので毒を持っていそうなイメージがありますが、実はレタスの親戚で、もっと踏み込むとあの中華食材の仲間なんだそうです。

    触ると痛いギザギザの葉を持つオニノゲシ

    オニノゲシは道端や畑、空き地など、日本中どこでも見られる1年草(または越年して2年)の帰化植物です。

    原産地はヨーロッパで、日本には明治時代に渡来し、1892年(明治25年)に植物学者の松村任三によって「オニノゲシ」という和名が付けられました。現在は全世界に広く分布しており世界中のどこでも観察できる植物になっているそうです。

    名前の由来は、ノゲシ(野芥子)に似ているけど、葉っぱが固くて光沢があり、触ると痛いことからノゲシにオニ(鬼)を付けて命名されたとのこと。

    タンポポによく似た黄色い花の開花時期は春から夏とされていますが、寒冷な時期でも咲き続けていることがあり、その土地の栄養状態によって1mぐらいまで伸びて堅牢な葉を付けたり、50cm程度にしか成長せず比較的葉が柔らかい個体があるなど、環境による差が大きい植物のようです。

    ケシ(芥子)と命名されていますがケシの仲間ではなくキク科ノゲシ属に分類され、茎から乳汁(ラテックス)が出る点は、同じキク科のタンポポにもよく似ていますよね。

    オニノゲシは食べられるんです

    明治時代に渡来してあっという間に日常的な雑草として広まったオニノゲシはキク科ノゲシ属です。そして近縁種のキク科アキノノゲシ属にはレタスが含まれます。つまりオニノゲシとレタスは親戚関係にあるのです。

    さらに調べてみると、オニノゲシにはもっともっと分類的に近い食べ物?があることがわかりました。それはヤマクラゲです。オニノゲシは中華食材のヤマクラゲ(植物名はステムレタス)と同属の植物だったのです。

    以下のブログにあるように、葉が固くなる前のオニノゲシの「葉」を山菜として食用する方は一定数いらっしゃるようです。

    オニノゲシ – はなもく散歩「トゲトゲだけどおいしい野草」

    ですが同属であることに着目して、オニノゲシの葉ではなく、「茎」のほうをヤマクラゲ的な食べ方で挑戦した方も発見しました。

    「外来植物・オニノゲシの茎は山くらげ(ステムレタス)の代替品になる」というごく一部のクラスタにしかヒットしないライフハック | 野食ハンマープライス

    結果は上々で、食感もバッチリ!まさにヤマクラゲにそっくりとのことです。

    ラー油で味付けしたシャキシャキのヤマクラゲは確かに私も好物ですが、道端のオニノゲシを採ってきてヤマクラゲの代替品にしようとまではさすがに思いません・・・

    ですがこのシリーズの記事を書いていると、身近な雑草を「食べてみた」というテーマでブログに掲載している方は思ったより多く、「意外に美味しい!」という感動がその道にハマる原動力になっているのかもしれませんね。

    今回はオニノゲシについてお伝えいたしました。

    (ミカドONLINE編集部)


    出典/参考記事: 雑草の季節 – 大阪の水墨画・墨彩画教室なら、玉麗会 ノゲシの仲間 | 但馬の情報発信ポータルサイト「但馬情報特急」 オニノゲシの育て方・栽培方法 オニノゲシ 江の島の植物・オニノゲシ – えのしま・ふじさわポータルサイト オニノゲシ オニノゲシ(北海道開発局)PDF 東北農業研究センター:雑草の関連情報:オニノゲシ | 農研機構 オニノゲシ(鬼野罌粟)(キク科ノゲシ属)|野田市ホームページ オニノゲシ / 国立環境研究所 侵入生物DB など