中秋の名月が近づいてきました。今回は秋の風物詩でもあるススキのご紹介です。改めて調べてみると、自分が無知だったことがよくわかりました。
ススキは古来から魔除けの草でした
ススキは日本の秋を代表するイネ科ススキ属の多年草植物です。別名を尾花といい、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」というよく知られた言葉は、幽霊かと思ったけれどよく見たら枯れススキだった……。怖いと思いながら物を見ると、なんでもない物まで恐ろしい物に見えるということを言った言葉です。
ススキは日本全国に分布し、日当たりの良い山野に生息しています。この時期は河原や山野で日常的に目にする植物ですが、ススキの空洞には神が宿るという言い伝えがあるそうです。また、硬くて堅牢な茎の切り口が大変鋭いことから、ススキは魔除けの力があると信じられてきました。
中秋の名月にススキを飾るのは古来の農耕神事に端を発しており、ススキを飾ることで農作物を病虫害や自然災害から守り、豊作を祈願するという意味合いがありました。
茅葺き(かやぶき)屋根の茅(かや)はススキのことだった!?
ススキには「茅(カヤ)」というもう一つの別名があります。そうです。茅葺き屋根の「茅(かや)」は実はススキのことだったのです。
恥ずかしながら私は、「茅(カヤ)」という名前の植物があるのだと思っていましたが、同じように勘違いされている方もいらっしゃるのでは?
あるサイトの説明によれば、(厳密にいえば)「茅(カヤ)」はススキだけを指すのではなく、ススキや葦(ヨシ=アシ)、チガヤ、カリヤスなどイネ科やカヤツリグサ科の大形植物の総称だそうです。
さらに詳しく書くと「茅(カヤ)」は屋根材として使われる草の総称で、生えている状態ではススキですが、屋根の素材として語る場合の呼び名が「茅(カヤ)」。
調べてみると「刈り取って乾燥させたものや束にしたものを茅(かや)という」という説明もありました。
ちなみに昔は集落の近くに定期的に刈り入れをするススキ草原があり、これを茅場(かやば)と呼んでいました。
「かや」は「茅」とも「萱」とも書きますが、「茅場さん」または「萱場さん」は、ご先祖がススキ野原の近くにお住まいだったのではないかと思われます。
今年(2024年)の中秋の名月は、9月17日です。ススキを飾りながらあれこれ思いを馳せてみたいものですね。
(ミカドONLINE編集部)
出典/参考記事:ススキは大きな役割をもっていた: 暮らしのなかのプチ雑学 ススキの花言葉は?実は縁起が良いススキの基本情報を解説 | 胡蝶蘭・スタンド花のプレミアガーデン かえる雑学 7 ~ススキ~ – 合同会社タノクラ ススキの豆知識 など