事業継続の課題を解決Ⅰ 明日を約束するバックアップ用BCPとは

    BCPイメージ

    ミカド電装商事(株)社長の沢田秀二です。今号より10回連載で、BCPに関する情報をお伝えさせていただきます。そんなの知っているよ、といった事も含めて執筆させていただきますので、少しでもみなさまのBCP立案、見直しのお役にたてれば幸いです。(※全記事はこちら

    BCPとはなんでしょう?

    では、早速BCPって最近よく聞くけど簡単に言ってしまうとどんなこと?

    ちまたで話題となっているBCPは事業継続計画の事で、Business Continuity Planningの頭文字をとってBCP。(ビー・シー・ピーと発音します) 一言でいうと、災害やテロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画の事です。

    身体・生命の安全確保や物的被害の軽減を目的にしていた従来の防災活動に、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく事が加わります。

    火災などの局地的な災害も含めますが、どちらかというと地震、津波、大雨などの大規模災害を想定した計画の立て方がおもで、最悪の事態が訪れても基盤となる事業は計画した期間内に、計画した最低限のレベルで、復旧させることにより倒産、解散などとならないように事業を継続していくための計画ということになります。

    災害時のリスクを見越して

    例えば、大規模地震が発生した場合にはどんなことが考えられるでしょうか。

    1)生産設備が壊れて工場が操業停止となってしまったり、
    2)道路の崩壊により物流が滞り製品を届けられなくなったり、
    3)原材料や半製品などの購入品が入手できなくなる、
    4)通信網分断で従業員と連絡が取れない
    5)或いは被災して出社できない従業員がいて操業停止に追い込まれる

    等々のリスクがあります。

    これらのリスクに対して、財務基盤がなんとか持つであろうギリギリの期間を設定し、それまでに最低限のレベルまでの生産や出荷をどのように復旧させるかの計画を立てて、実際に訓練をしてみて、不具合箇所を修正しながら練り上げるもので、自社内だけではなく、公的機関や仕入や販売先をも含めたサプライチェーン全体を巻込んだものになります。

    いざというときに大きな差が付く

    BCPを導入されている企業とそうでない企業とでは、操業開始までの期間はもとより、開始後の立ち上がり角度が大きく異なってくるでしょう。

    これを機会に、まだBCPを導入されていない方は今から準備にかかられてはいかがでしょうか?BCPの考え方はご自身の家庭や地域にも当てはめる事が出来ると思いますのであわせて検討しておくことをお勧めします。

    次回は、私どもが体験した東日本大震災の現場で何が起こっていたか?どのようなBCPがあればよかったのかを私なりに考えて、お伝えさせていただきます。

    乞う、ご期待。

    (沢田秀二)

    東日本大震災発生そのとき①(BCPの必要性)