雑草:名もなき草の名(14)~踊り子に見えないのにヒメオドリコソウ、そのわけは?~

    みかドン ミカどん今回は私があまり好まない雑草です。その名もヒメオドリコソウ。先端の葉の紫色の部分があまり好きではないからですが(汗)そもそもヒメオドリコソウという可憐な名前なのにこの草はまったく踊り子には見えません。今回はその謎を調べてみました。

    ヒメオドリコソウはシソ科の外来植物です

    ヒメオドリコソウ(画像:気楽に気ままに趣味生活

    前回のタンポポに続き、今回も誰もが見たことがある雑草です。

    この写真の野草はヒメオドリコソウと言います。シソ科の帰化植物で原産地はヨーロッパです。ヨーロッパでも普通に見られる雑草なので、海外のYouTubeでもよく紹介されています。

    ヒメオドリコソウはこちらのブログによれば、明治26年に東京の駒場で最初に見つかったと言われています。花期は3~6月で、野原や道端、畑の畦道でよく見かけます。

    4/17に名取川の河原で見たヒメオドリコソウ

    複数のブログに”シソ科の植物なので歯をもむとシソの香りがする”と書いてあったので試してみようと思いましたが、休日に家の周囲を回っても(2023.5.14時点)ヒメオドリコソウは発見できませんでした。

    たまたま散歩をしていて名取川の河原で咲いていた写真を撮ったのが4月17日なので、仙台近辺ではもう終わってしまったのかもしれませんね。今後どこかで見かけたら、または来年、ぜひ試してみたいと思います。

    ホトケノザに似ていると言われていますが・・・

    (ホトケノザの画像:ガーデニングの図鑑

    私はこの草を長い間、ホトケノザだと思っていました。誰かに間違えてそう教えられたのか、自分が勝手に勘違いをしていたのかはわかりませんが、ネットで検索してみると見分け方の記事が多数出て来るので、同じように勘違いする方もいらっしゃるようです。

    似ていると一般的に言われているホトケノザとヒメオドリコソウですが、実はけっこう違います。同じシソ科ではありますが、葉の色や形が異なるので、迷ったり間違ったりすることはあまりないような気もします。

    ホトケノザは葉が仏様の台座に似ているためそう呼ばれるようになったようですが、ヒメオドリコソウの紫色の葉も仏様のイメージに近いので、私のように取り違えて覚えてしまう人がいるのかも?

    冒頭の紹介文でも書きましたが、私はこのヒメオドリコソウがあまり好きではなく、理由としては先端の葉色の少し毒々しい?赤紫色や虫の触覚のようなピンクの花が、子供心に少し怖かったからですが、「シソ科」とわかったことで、その印象がかなり軽減しました。シソの仲間なら、赤い葉っぱも確かにアリだな、と思いました。

    踊り子に見えるのは日本古来のオドリコソウ

    日本古来の(本物の)オドリコソウ(画像:野草 名前の由来

    私はこの植物の本当の名前がヒメオドリコソウと知って、「どこが踊り子なのだろう?」とずっと思っていたのですが、今回調べてみて真相がわかりました。

    ヒメオドリコソウはその外見が日本古来のオドリコソウに似ていて少し小ぶりであることから、ヒメオドリコソウと名付けられましたが、花が踊り子に似ているのは元々の日本古来のオドリコソウのほうだったのです。

    オドリコソウ(画像:お花の写真集

    日本に昔から自生していたオドリコソウは、花の見た目が笠をかぶって扇子を持って踊っている踊り子の様子によく似ていることから命名されたそうです。

    ヒメオドリコソウはそれに似ていてそれより小ぶりなので、オドリコソウに「ヒメ」を付けた名前になったようです。

    けれどこれもまた、似ているか?と言えば微妙なところです。昔の人のネーミングの感覚は今とは違うのかもしれませんね。

    (ミカドONLINE編集部)


    出典/参考記事:ヒメオドリコソウで野草オープン戦は終わった 強きもの、汝の名は… 雑草の名前 など