今回はヒメジョオンのご紹介です。編集部でその話をしたら、その場で検索をした全員が「これかー!」と叫びました。この草も多くの人にとって見たことはあるけど、意外に名前が知られていない雑草なのかもしれません。
立派な日本語です。「姫女苑」と書きます
ヒメジョオンは、北アメリカ原産の帰化植物で、キク科ムカシヨモギ属の一年草です。日本では1865年頃に観葉植物として導入されましたが、明治期には雑草になってしまいました。現在では全国に広がり、各地で野生化しています。
ヒメジョオンは、堤防の法面や放牧地、道端など様々な立地に生育します。通常、秋に芽生えてロゼットを形成し、そのまま越冬して翌年の初夏から夏に花茎を伸ばして開花します。
日本語らしからぬ名前なので、私はこの植物の名前を口にするときに「本当にこれでいいのかな?」と毎回モゴモゴと躊躇していましたが、今回調べてみて「姫女苑」という立派な漢字があることがわかりました。
これは中国産の野草を意味する「女苑」と、「かわいらしい」や「小さい」などの意味を持つ「姫」を組み合わせて名付けられたという説が有力のようです。また、国内ですでに生息していた別植物の「ヒメシオン(姫紫苑)」と区別するために、姫女苑と名付けられたともいわれています。
これを機に今度からは堂々と名前を言おうと思います。
ユーミンの隠れた名曲と思っているのに貧乏草と言わないで
以前、ヤブカラシがビンボウカズラと呼ばれていることを書きました。
(過去記事)ヤブカラシ。貧乏になりたくない人は解いて巻いて放置する?
調べてみると、このヒメジョオンも貧乏草と呼ばれているようです。
理由は全く同じで、貧乏で自宅の庭の手入れをする暇もないようなお家は、庭がヒメジョオンだらけになってしまうと言われ、そこから貧乏草と言われるようになったそうです。
確かにヒメジョオンは繁殖力が非常に強いので、外来生物法で要注意外来生物に指定されており、日本の侵略的外来種ワースト100にもなっています。
ですが私にとってヒメジョオンは、小さい頃に近所の友達とよく遊んだ空地に群生していたので、子どもの背丈近くまで伸びたヒメジョオンをかき分けてよく探検ごっこをした思い出がある雑草です。
そのためユーミンの初期の曲「ハルジョオン・ヒメジョオン」も、情景がよく浮かぶ大好きな曲なのです。地味ですが個人的には隠れた名曲とまで思っています。(ただし一般的には認知度が低いです)
そんな思い出の雑草を「貧乏草」なんて呼ばないでほしいな、と思った今日この頃でした。
(ミカドONLINE編集部)
出典/参考記事:ヒメジョオンとは?花言葉、花の特徴、ハルジオンとの見分け方も /LOVEGREEN(ラブグリーン) ヒメジョオン / 国立環境研究所 侵入生物DB など