ブラックコーヒーにコーヒーミルクを垂らすと、
直後の一瞬はくっきりと分かれていますが、
やがて混ざり合って区別がつかなくなります。
ミルクがコーヒーとまだ混ざっていない状態を
エントロピーが小さいと言い、
お互いが完全に混ざり合って安定してしまった状態を
エントロピーが大きいと言います。
エントロピーとは、
変化しきってこれ以上変わらない状態を「最大」と定め、
その前段階であればあるほど「最小」とする指標で、
元々は1865年にドイツの理論物理学者
クラウジウスが提唱した熱力学の概念です。
水に熱い鉄棒を差し込むと
やがて均衡して一定の温度になりますが、
再び鉄棒が熱く水が冷たくなることはありません。
つまり自然界では
「何事も、最終的に安定する”一方向”に物事が変化し続け、逆はない」
というのがエントロピー増大の法則(エントロピーは増大し続ける)なのです。
器からこぼれた水は自然に元に戻ることはあり得ません。
まさに覆水盆に返らずですが、別れた恋人同士の復縁は、
一緒にいる方が二人にとって「自然」だったということになりますね!