【法則の法則】Season2「エントロピー増大の法則」覆水盆に返らず_38号

    ブラックコーヒーにコーヒーミルクを垂らすと、
    直後の一瞬はくっきりと分かれていますが、
    やがて混ざり合って区別がつかなくなります。

    ミルクがコーヒーとまだ混ざっていない状態を
    エントロピーが小さいと言い、
    お互いが完全に混ざり合って安定してしまった状態を
    エントロピーが大きいと言います。

    エントロピーとは、
    変化しきってこれ以上変わらない状態を「最大」と定め、
    その前段階であればあるほど「最小」とする指標で、
    元々は1865年にドイツの理論物理学者
    クラウジウスが提唱した熱力学の概念です。

    水に熱い鉄棒を差し込むと
    やがて均衡して一定の温度になりますが、
    再び鉄棒が熱く水が冷たくなることはありません。

    つまり自然界では
    「何事も、最終的に安定する”一方向”に物事が変化し続け、逆はない」
    というのがエントロピー増大の法則(エントロピーは増大し続ける)なのです。

    器からこぼれた水は自然に元に戻ることはあり得ません。
    まさに覆水盆に返らずですが、別れた恋人同士の復縁は、
    一緒にいる方が二人にとって「自然」だったということになりますね!