最初の国産電機洗濯機は
芝浦製作所(現:東芝)が1930年(昭和5年)に
アメリカの技術を導入して「ソーラーA型」という商品を
製造販売したのが第一号です。
洗濯方式は撹拌式で、
ドラムの中央に水をかき混ぜる
回転棒のようなものが付いていました。
「ソーラーA型」は、当時、約370円で発売されましたが、
その頃の銀行員の初任給が約70円。
そのため電気洗濯機は普及せず、
戦後は進駐軍向けに納入されていましたが
「日本人メイドの人件費が安く、しかも上手に手で洗ってくれる」
という理由で納入が打ち切られてしまいました。
日本で一気に洗濯機が普及したのは、
三洋が1953年に発売した噴流式洗濯機で、
回転翼(パルセータ)を洗濯槽の横につけて水流を起こす
現在の洗濯機(渦巻き式)の原型にあたるものです。
この商品は撹拌式よりも小型で、
少ない水で洗え、布を傷めず、
しかも従来よりも安い価格だったため爆発的に売れました。
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https://homepage-town.jp/mikado-d/reference/201508.html#history
その後、日本の洗濯機は独自の進化を遂げていきますが、
撹拌式の米国やドラム式の欧州と異なり、
日本の洗濯機は依然として渦巻き式が主流です。
それは大量にまとめ洗いする米国の文化や、
汚れが落ちにくい硬水のため
お湯で叩き洗いする必要があったヨーロッパの環境と違い、
川の流水で少量をまめに洗濯してきた
日本人独自のものと言えるかもしれません。
日本の洗濯機は
「川で洗濯をする桃太郎のお婆さん」の
イメージに近いのかもしれませんね。