【ヒストリー】12.変圧器~長距離送電を可能にした陰の主役~

    変圧器は電磁誘導を利用して電圧を変える機器で
    効率のいい送電には欠かせません。

    その原型は、電磁誘導の法則を発見した
    マイケル・ファラデーが説明用につくった装置でした。

    やがて配電システムのための変圧器を
    ゴーラール(1850〜1888、仏)とギブス(1834〜1912、英)が
    初めて考案します。
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    https://homepage-town.jp/mikado-d/reference/201502.html#history

    ゴーラールとギブスの変圧器は
    5,000 Vで40 kmを送電する実験に成功し、
    鉄道の照明システムに採用されました。

    けれど需要による電圧の変化が激しく、
    電話線に雑音が発生して激しい苦情になるなど、
    課題も多いものでした。

    この変圧器に注目したのが、
    のちにエジソンとの激しい「電流戦争」に勝利する
    ウェスティングハウス(1846~1914、米)です。

    実業家で技術者でもあったウェスティングハウスは、
    損失が大きいエジソンの直流送電は
    非効率で発展性がないと結論付けました。

    そして、たまたま目にした技術専門誌で
    二人の変圧器を知り、
    これを改良すればエジソンに勝る交流送電の
    大事業化が可能だと考えました。

    ウエスティングハウスは早速この変圧器を注文し、
    特許権を5万ドルで獲得して社内の技術者に改良させ、
    1886年に実用化に成功しました。

    これによって山岳地帯の水力発電所から
    遠く離れた都市部への配電が可能になり、
    電気事業が飛躍的に発展するきっかけとなりました。