「エモい」とは
こんにちは。おじさんのための”若者用語の基礎知識”です。今日のお題は「エモい」です。
Wikipediaによるとエモいは、”英語の「emotional」を由来とした、「感情が動かされた状態」、「感情が高まって強く訴えかける心の動き」などを意味する日本のスラング。感情が揺さぶられたときや、気持ちをストレートに表現できないとき、「哀愁を帯びた様」、「趣がある」などに用いられる。”そうです。(Wikipediaにあったことにもびっくり)
いまとなっては、言葉が拡大解釈の方向にひとり歩きしているようですが、成り立ちをよく調べてみると、元々の意味は、熱く激しく感動するというより、しみじみと心の琴線に触れて魂に響く情緒的なさまを表しているみたいです。
私は語感が「キモい」や「エグい」に似ているので、それらを合体して気持ち悪くてグロテスクな様子のことだと思っていましたが、実際は全然違ったんですね。ネット上でも私に近いイメージを持っている人がいるようで、CanCamの調査でも似た答えが挙がっていましたよ!
「えぐいとキモいの融合?」(24歳・公務員)
「キモいの進化系……?」(24歳・会社員)
「キモいの変化バージョン? キモいのエロいバージョン?」(29歳・専業主婦)
エモいは、昨年(2018)マイナビが運営する10代女子向けメディア「マイナビティーンズ」の調査で「流行った言葉ランキング」の1位にも選ばれました。残念ながら我々ミカドONLINE編集に10代はいないので(笑)1位の雰囲気がよくわかりませんが、どうやら10代女子の場合は「やばい」に似た意味合いで使われている模様です^^
Twitterで使用例を見てみました。
▼これはたぶん、本来の意味に近い感じでしょうか。タイムリーと言っているのはこの投稿の前日に「千と千尋の神隠し」が放映されたからですね!
日光で屋台とか出てて楽しげだった
そんでエモいの撮れた
千と千尋感ある
タイムリーな話だけど、千と千尋は見てない模様w pic.twitter.com/SjkY3byXyL— ♚わかさま♚ (@wakasama1984) August 17, 2019
▼なぜこれが2000(約)のリツイートと4000(約)のイイねを獲得しているのか全くわかりませんが、刀剣ファンには貴重な投稿なのでしょうか・・・?エモすぎても吐かないで~
山姥切考察本用に調べてわかったことで、これだけ! これだけ、言わせて下さい。
大坂夏の陣の史料を漁っていたら【豊臣秀頼が、大坂城落城の日=自害の日に、一期一振を差していた。】
という記述にぶち当たりました。
……いちにいいいいい!!!
エモい。エモすぎて、血を、吐きそう……。 pic.twitter.com/kazfESx0Uu— さよのすけ@ 8/25モ12a 6号館A (@sayonosuke) August 17, 2019
▼こちらは「大感激!」に近い使用例だと思われますが、あまりにエモすぎてエモい以外の言葉が見つからないという意味で語彙死亡と書いているようです、たぶん。
フィナーレ一個前、エモいに殺されそうになった花火がこちら。
エモい。エモエモのエモ。止まらないエモ。(語彙死亡)#若者のすべて#フジファブリック#赤川花火#赤川花火大会2019#音量上げると聞こえるよ pic.twitter.com/Qd91ISLGI8
— Soshi(はりの) (@harino_yorozu) August 17, 2019
この記事のために、Twitterでエモいの使用例を検索して調べてみたところ、もはや「なんでもアリ」ですね。汎用性が高くなり過ぎて元の意味はどうでもよくなっているツイートもいっぱいありました。そして予想通り、ゲームやアニメ、アイドルなど、ファンじゃないと全くわからない内容がほとんどで、皆さんにご紹介できる投稿を探すのに苦労しました。
最近では「なんでもエモいと表現するのは語彙力の低下につながる」という意見もあるようですが、それを逆手にとって、語彙力がない自分を強調するひとことと組み合わせて使うケースも多いようです。