初夏から旬を迎えるトウモロコシ。皮をむく時にちょっと邪魔なのが「ひげ」ですが、その正体は「絹糸(けんし)」と呼ばれるトウモロコシのめしべです。茎のてっぺんにある雄花から出た花粉が風で運ばれ絹糸に落ち受粉すると、花粉管が伸びて受精し、1本に1つ繋がっている実が詰まっていきます。そのためひげの本数と粒の数は一致し、しかも雌花は2つ1組となって軸に付くので、粒の数は必ず偶数になるのだそうです。実が詰まっていない歯抜けの粒は、そこに繋がっていた絹糸が受粉できなかったということなんですね。
さて、おいしく実を食べた後に残る芯。大きくてこれも邪魔なもの…かと思いきや、甘味料としておなじみのキシリトールは、この芯を加工して作られているんだとか。トウモロコシのひげは健康に良い「ひげ茶」として人気ですが、芯も同じく乾燥させて煎じて飲めば利尿効果が期待でき、さらに出汁をとればコーンスープなど料理に使え、油分が含まれるためBBQの時には着火剤や薪がわりになるなど、意外な利用法があるようです。ひげと併せて、余すところなくトウモロコシを活用してみてはいかがでしょうか。
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