東日本大震災から、官公庁などでは5月からの繰り上げ実施となったクールビズ。
いまやすっかり、定着した感がありますね。
クールビズは2005年小泉政権下で、当時環境大臣だった小池百合子氏の旗ふりで始まったものです。
当初はお役所主導ということもあったのか、マスコミ等から批判を浴びることもあった、このキャンペーンですが、夏の暑さに辟易していたビジネスマン諸氏の静かな後押しもあって、2007年の内閣府調査では早くも半分近くの回答者が「実施している」と答えるまで浸透しました。
いまや、クールビスを実施していないオフィスはむしろ少数派になったのではないでしょうか?
(お読みの皆さんのなかには、さらに「一年中クールビズ」と言う方もいらっしゃるかもしれませんね。)そんなクールビズですが、今を去ること34年前、涙の歴史があったことを忘れてはなりません。
イラン革命により石油供給が不安定になったことを憂慮した、時の大平内閣は「省エネルック」と名付けたクールビズの源流とも言えるニューモード(?)を発表。
大平首相ご本人や後には羽田孜氏が着用し、一躍話題になりました。
https://mainichi.jp/graph/select/coolbiz/002.html (毎日jpの写真より)
しかし、「半袖シャツの上から半袖ジャケットを着用し、ネクタイもしたまま」という合理性のなさ、中途半端さが災いしたのか、ビジネス界はもちろん、官公庁でも普及せず、このムーブメントは終焉を迎えました。
いつの世でも、パイオニアは成功が難しいものですが、大成功のクールビズの前にそんな先駆者がいたことを忘れてはなりませんね。
雑学1 羽田孜氏はその後も粘り強く省エネルックの改良に取り組み続け、最終的には詰め襟のマオカラーのスーツですっかりお馴染みになりました。
雑学2 クールビズは海外でも高い評価を受け、韓国、イギリス、イタリア、さらには国連のニューヨーク事務所でも普及が試みられています。