エネマネことばの窓02~カーボンフットプリント~

    エネルギーマネージメント「ことばの窓」

    みかドン ミカどん新聞やニュースでよく見かけるけど、何かとわかりにくいのでついスルーしているエネルギーマネージメントの様々な言葉の意味を、簡単解説しています。(すべての記事はこちらです)

    カーボンフットプリントとは?

    カーボンフットプリントは重さで表すCO2の生涯排出量

    カーボンは炭素のこと。フットプリントは足あとのこと。カーボンフットプリントをそのまま直訳すると「炭素の足あと」ということになりますが、エネルギーマネジメント用語としてのカーボンフットプリントは、商品やサービスの原材料の調達から生産、流通を経て最後に廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算したものになります。

    具体的には重さで表し、環境評価手法のひとつであるライフサイクルアセスメント(LCA)の計算方法がベースになっています。

    下の図(出典:国立環境研究所)を見てみると、生産段階では製品Aのほうが製品BよりCO2を多く輩出しますが、製品の一生涯を通して算出したライフサイクル全体では順位が逆転し、製品Bのほうがより多くのCO2を排出することがわかります。また製品Bでは「処理・処分」段階でのCO2排出量が高いため、リサイクル方法を改善すれば、環境への負荷がより効果的に削減できることもわかります。

    LCAライフサイクルアセスメント

    日本では2009年から表示制度が始まりました

    2009年度~2011年度にかけての3年間、経済産業省など4省庁の主導で「カーボンフットプリント制度試行事業」が始まり、カーボンフットプリントの申請、算定、認証などをおこなうようになりました。

    事業の運営は2012年4月より一般社団法人 産業環境管理協会に引き継がれ、多くの企業がプログラムに参加しました。

    たとえば井村屋のBOXあずきバー1箱のカーボンフットプリントは65グラムだそうです。製品の原材料から消費されるまでのあらゆる段階をトレースして、全工程におけるCO2排出量を分析してみると、生産と流通工程で全体排出量の55%を占めることが分かりました。

    そこで同社は化粧箱のフラップ(フタ部分)の寸法を短くしました。使用する紙の量が減ったことで1箱当たり2.7gのCO2排出量を削減できたそうです。

    森の薫りCFPまた日本ハムのあらびきウィンナー「森の薫り(92g)」のカーボンフットプリントは638gでした。それ以前にも同社では、パッケージ包材を軽量化することでCO2排出量を削減しています。

    少し変わったところでは、建築会社の安藤ハザマが、床面積1㎡・耐用年数65年あたりのカーボンフットプリントを1.5tとして認定を受けています。

     

    このように「事業者と消費者の間でCO2排出量削減行動に関する「気づき」を共有し、「見える化」された情報を用いて、事業者がサプライチェーンを構成する企業間で協力して更なる CO2 排出量削減を推進すること(出典:産業環境管理協会)」が カーボンフットプリントの目的でもありますが、この制度は2017年よりエコリーフと統合されて、現在では「JEMAI環境ラベルプログラム」という名称に変わっており、従来運用されていた制度の新規受付は終了しているようです。(※旧制度の認定登録事業者はこちらで検索可能)

    個人的にはなんとなく、一段落して温度が下がった?気がしなくもないですが・・・

    海外のカーボンフットプリント。英語版ですがWWFのサイトが面白い

    国際的には、カーボンフットプリントは商品・サービスだけでなく、個人や組織の排出量や環境負荷を指し示す言葉としても利用されています。
    例えば、 ” Find out your Carbon Footprint “(あなたのカーボンフットプリントを算定しましょう)、”How to reduce the Carbon Footprint of your business”(こうすれば、あなたのビジネスのカーボンフットプリントを少なくすることができます) といったような使い方をするそうです(出典:Bye-Bye CO2

    カーボンフットプリントは個人や企業の活動についても数字を出すことができます。イギリスのWWFが5分程度のアンケートに答えると、自分のカーボンフットプリントの量が分かるウェブサイトを公開していると知り、早速私もやってみました。(Google翻訳でなんとかなりました。(笑)1ユーロは本日のレート126円で算定。)

    すると・・・ガーン・・・私のカーボンフットプリントは2020年の目標値よりも、なんと45%も多い!(汗)

    screencapture-footprint-wwf-org-uk-2019-02-04-23_24_06

    詳細を確認すると、家族や食べ物は良好ですが、家庭のエネルギー環境と移動手段がよろしくないようです^^寒がりなので石油ヒーターがんがん、買い物は近所でも車で行くのがバレバレかも。確かにこうやって見える化されると、意識も高りますね。皆さんもやってみてはいかがでしょうか? ➡ https://footprint.wwf.org.uk/#/

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