【ヒストリー】25.ルンバ~お掃除のためのお掃除が必要?~


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    現在の電気掃除機の原型は1900年代に考案され、その後、家電メーカーの商品開発によって、今では高機能の多様な掃除機が店頭に並ぶようになりました。そんな中で、ロボット製作の技術をベースに2002年に制作された掃除機が世界の大ヒット商品になりました。お掃除ロボット「ルンバ」です。

    ルンバをつくったアイロボット社(米国)は、マサチューセッツ工科大学で最先端の人工知能研究を進めていた3人により1990年に設立された会社です。理念は「人が嫌がる、退屈で不衛生、危険な仕事から人々を解放すること」。アイロボット社は設立後、長く赤字が続きましたが、やがて転機が訪れました。爆弾をセンサーで感知、遠隔操作で処理することができるロボットを開発したところ、この1000万円のロボットを、アメリカ政府が大量に購入したのです。これによりアイロボット社は大きく発展、その後、ルンバのヒットによりさらに実績を伸ばしました。

    ルンバは「らせん状に掃除する」「壁伝いに掃除する」「何かにぶつかったら角度を変えてランダムウォークする」など、いくつかの単純な動作を組み合わせて掃除しますが、その土台になったのが地雷除去ロボットの高度なテクノロジーです。アイロボット社は民生品だけでなく、米国防総省向けの各種軍事用ロボットで技術力を培ってきました。米軍にも同行したことのある多目的ロボット「パックボット」は、事故後の福島第一原子力発電所に調査に入ったことでも知られています。

    2012年までの世界累計で800万台を売り上げたとされるルンバですが、残念ながら我が家では、部屋が狭く床にはモノが一杯で実力を発揮できません。ルンバを使うには、その前にまず家じゅうを自分で掃除しないとダメですね(笑)

    ※[追記]アイロボット社は今年に入り軍事部門を分離売却すると発表(2/8)しました。今後は家庭用のロボット産業に注力していく計画とのことです。

    (写真の出典:WOMANIA「ロボット掃除機ルンバが10周年 「ルンバ 10th Birthday 感謝イベント」)