【法則の法則】Season2「アボガドロの法則」2+1→2の矛盾を解決した功労者_37号

    水の化学式はH2Oで、
    水素Hと酸素Oが2:1で水になると学校で習いました。
    けれどHとOを2:1で反応させても
    体積はなぜか3にはならず2になります。

    その矛盾を見事に解き明かしたのが
    イタリアの化学者アボガドロ(1776~1856)です。

    アボガドロは水素や酸素のような単体も、
    原子が複数結合した”分子の集まり”であると推測し、
    化学反応はその結合の組み換えであると考えました。

    そしてそれまでの様々な実験結果から、
    「同一条件下でどんな気体でも同じ体積なら
    含まれる分子の数は同じである」と仮定しました。

    これは逆に考えると、分子の数が同じであれば
    どんな気体でも同じ体積になるということであり、
    体積はそれぞれの気体の分子数に比例するということです。

    今では水の生成の反応式は2H2+O2→2H2Oと表記され、
    分子の個数比が2:1:2なので
    体積比も2:1:2になることがわかっています。

    けれど当時は同種の原子同士は
    結合しないと考えられていたため、
    アボガドロの分子説は全く注目されず、
    その正しさが証明されたのは発表から50年後でした。

    後年の研究でアボガドロの仮説は
    「0℃1気圧の状態で22.4Lの中に含まれる分子数は
    1mol(6.02×[10の23乗])」と定義され、
    彼の功績をたたえてアボガドロの法則と
    呼ばれるようになりました。