水の化学式はH2Oで、
水素Hと酸素Oが2:1で水になると学校で習いました。
けれどHとOを2:1で反応させても
体積はなぜか3にはならず2になります。
その矛盾を見事に解き明かしたのが
イタリアの化学者アボガドロ(1776~1856)です。
アボガドロは水素や酸素のような単体も、
原子が複数結合した”分子の集まり”であると推測し、
化学反応はその結合の組み換えであると考えました。
そしてそれまでの様々な実験結果から、
「同一条件下でどんな気体でも同じ体積なら
含まれる分子の数は同じである」と仮定しました。
これは逆に考えると、分子の数が同じであれば
どんな気体でも同じ体積になるということであり、
体積はそれぞれの気体の分子数に比例するということです。
今では水の生成の反応式は2H2+O2→2H2Oと表記され、
分子の個数比が2:1:2なので
体積比も2:1:2になることがわかっています。
けれど当時は同種の原子同士は
結合しないと考えられていたため、
アボガドロの分子説は全く注目されず、
その正しさが証明されたのは発表から50年後でした。
後年の研究でアボガドロの仮説は
「0℃1気圧の状態で22.4Lの中に含まれる分子数は
1mol(6.02×[10の23乗])」と定義され、
彼の功績をたたえてアボガドロの法則と
呼ばれるようになりました。