こんにちは。企画室の伊藤です。ミカドの品質への取り組み第4回目の今回は
「計器の校正」について紹介していきたいと思います。
「計器の校正」は測定値が正しい値である証明
レポート 企画室 伊藤明良
前回、前々回とデジタルマルチメーターや放射温度計、相回転系などの
使用している計器の種類を紹介させていただきました。
計器は確実に、安全に、蓄電池設置などの現場作業を高い品質で完了させるべく、
様々なシーンで使用されております。
その計器を使用する上で重要なことの1つとして「校正」があります。
ここでいう「校正」とは、計器の検査、調整を定期的に行い、
計測した値が「間違いのない正しい値である」というのを証明することです。
機器はいずれ劣化して壊れます。
計器も例外ではなく、長く使えばさまざまな場所が劣化し、
正しい値を示さなくなる可能性がでてきます。
たとえ本体の故障ではなかったとしても、調整が狂っていたり、
測定部が劣化していたりすれば、正確な測定値が得られません。
もし、電力や電圧の計測結果が間違っていたら…重大な事故に繋がってしまいます。
計器の校正は事故防止のためにも非常に重要なのです。
校正を行う際は「標準器」という校正をするために使用する専用の機器が必要です。
「標準器」とは「国家基準」の計測基準をクリアし
「国レベルで計測結果の正確さ」が証明された機器です。
測定器の正確さは「正確な標準(標準器)との比較(校正)」によって証明できます。
「標準器」が必要である以上、自分たちでは校正はできないので
仙台にある専門の会社さんに毎年依頼をしています。
(厳密には校正には決まった期限がないのですが、1年に1回というのが常識的なペースになってます)
4~6月に校正を行っています
対象となるメインの計器は、墨出し器や放射温度計など8種類の計器を1セットとしている基本セットが4セット。その他の計器類を合わせると合計数十点あり、沢山の計器が校正依頼の対象になります。
校正にかかる費用は計器によって違いますが、1台につき5,000円~20,000円位。
総務に2022年の校正費を確認した所、100万円の校正費がかかっておりました。
決して安くはありませんが、安全と品質の為には必要な経費です。
校正にかかる時間(計器を預けて返ってくるまで)はおよそ1ヶ月。
毎年、現場作業が少し落ち着く4~6月の期間に現場での計器不足が発生しない様、タイミングをずらしながら依頼を行い、通常はその期間中に完了させます。
無事校正が完了した全ての計器には校正証明書が発行され、
計測した値が「間違いのない正しい値である」というのを証明することができます。
計器のトレーサビリティとは?
校正証明書をみると「トレーサビリティ」というフレーズがでてきてます。
これは「計器がどの標準器で校正されたのか?」を明らかにすることを指しています。
ISO9001(品質マネジメントシステム)の「監視機器及び測定機器の管理」の項目では、
「国際または国家計量標準にトレーサブル(追跡可能)な計量標準に照らし合わせて行うこと」と書かれております。
小難しいので平たく言いますと、
「国の測定基準をクリアしているこの標準器を使用してこの計器は校正したよ!」
ということを証明する必要があるということ。
その役割を果たすのが校正証明書になります。
当社(ミカド電装商事)の話に戻りますが、
毎年9月にISO9001の「監視機器及び測定機器の管理」を基準とした
GSユアサ・フィールディングスによる品質管理の監査が行われます。
その際に校正証明書を通して計器の安全性、正確性の証拠を提出し、
安全と品質が取引先にも公的にも証明されます。
この様に、現場の安全、作業の正確さのため
手間とコストをかけ計器の校正を毎年実施し、安全と品質を常に保っております。
(企画室 伊藤明良)