今回は私が見たことのない雑草です。当社の沢田社長や編集部員から「秋保地区(仙台市太白区)で見たことがある」という声を受けて、ネジバナについて調べてみました。
雑草だけど実はランの仲間なんです
ネジバナは芝生や湿地帯の明るい場所に普通に見られる多年草です。北海道から沖縄まで日本中で自生しており、草丈は15〜40cm。花がらせん状に捩じれながら付いているのが大きな特徴です。
花が小さいので気づきにくいのですが、初夏の身近な公園や庭の芝生、道路わきをよく見ると、あちこちで頭を伸ばして咲いているのを見つけることができるそうで、芝生を眺めてみて、ひょろひょろと中から伸びて飛び出ている細い草があれば、たいていがネジバナとのこと。
雑草として抜かれたり芝刈り機で刈り取られてしまうことが多いネジバナですが、実はランの仲間です。小さい花をよく見ると確かにランの形をしていてきれいですね。
ネジバナは原種のランとして愛好家も多いらしいのですが、抜いてもすぐに生えてきて街の中でも自生できる強さがある反面、長期の人為的な栽培は難しく、それにはネジバナと共生している菌の存在が影響しているようです。
ネジバナのひねくれ方は自由奔放で予測不能?
その名の通り、花がらせん状にねじれて並んでいるのが特長のネジバナですが、ねじれの方向に決まりはなく、右回りもあれば左回りもあって割合としては1:1とのこと。
またそのねじれ加減(?)も様々なようで、何回転もねじれている花もあれば、ほとんどねじれていない花もあり、規則性はまったくありません。
株式会社バイオームのブログによれば、これはどうやらネジバナを好んで訪れて花粉を運んでくれるハナバチ対策のようです。
ねじれが少ない個体は花がたくさん付いているように見えるのでハナバチが頻繁に訪れますが、隣り合う花同士が近いので自家受粉の可能性が高くなり、遺伝的多様性が得られません。
そのため、訪花昆虫が少ない環境ではねじれの少ない花が有利であり、訪花昆虫が十分に存在する環境では、自家受粉をより防ぐことできるねじれの大きい花が有利になるそうですから、ネジバナには自身の生育環境を察知して見せ方を変えられる能力があるのかも?
調べてみるとネジバナはいたるところで咲いているようですが、まれに群生することもあるそうです。社長が「秋保地区で見た」と言うのは、偶然それが目に留まって記憶に残ったのかもしれませんね。
(ミカドONLINE編集部)
出典/参考記事:ネジバナとは|育て方がわかる植物図鑑|みんなの趣味の園芸(NHK出版) ネジバナってどんな花?茎もねじれている?|ガーデニング|趣味時間 ひねくれることには意味がある – 株式会社バイオーム ネジバナ(捩花)とは?特徴や花言葉、育て方までわかりやすく解説 – 近江綴園 小さな季節のお買い物 など