小学校の通学路にお役所が移転した空地がありました。敷地には子供の背丈ぐらいある雑草が生い茂り、金網のフェンスにはびっしりつる草が絡みついて見るからに気持ちが悪いのですが、今思えばそれがヤブカラシでした。
ヤブカラシは貧乏の象徴?
ヤブカラシはとても生育旺盛なブドウ科のつる性植物です。草の生い茂るヤブや道端、民家の垣根や庭など、市街地でもよく目にする植物です。巻きひげを出してほかの植物にからみつき、長さ2~4 mにも伸びる嫌われ者で、 地下茎を長く伸ばして繁殖します。
この植物のWikipediaでの説明が絶妙です!
和名は藪を覆って枯らしてしまうほどの生育の旺盛さを示している。別名ビンボウカズラ(貧乏葛)とも呼ばれ、その意味としては、庭の手入れどころではない貧乏な人の住処に生い茂る、あるいはこの植物に絡まれた家屋が貧相に見える、またはこの植物が茂ったことが原因で貧乏になってしまう、などの意味に解釈されている。
あまりにもイメージぴったりの説明に思わず拍手を送りたくなりましたが、ヤブカラシが原因で貧乏になるというよりは、日々金策に頭を悩ませて庭に手が回らなくなった結果と見るのが妥当な気もします。
どこからでも芽を出して絡みつく厄介者
冒頭の写真でピンと来ない方でも、赤みがかった葉と茎で、巻き付き先を物色するためにひげを伸ばしている若芽なら見たことがあるのではないでしょうか。
花は小さくて意外にチャーミングですが、開花期にはハチが来るので要注意。ハチはヤブカラシの花が大好きなんです。
繁殖力が強いので、アスファルトの割れ目や太陽光パネルのすき間などからもよく芽を出します。
山村のガードレールや人があまり立ち入らない敷地のフェンスや塀などにもよく絡みついて勢力を伸ばしていきます。
ぐるぐる巻きにして地面に放置すると衰退していく。らしい。
そんな厄介者のヤブカラシですが、巻き付いているつるをほどき、ケーブルのようにぐるぐる巻いて地面に放置して置くだけで枯れていくそうです。
東京農工大学や弘前大学の研究では、つる性植物は自他を見分ける能力があると言われていますが、ヤブカラシを強制的にこの状態にするとヒゲが触れるのは自分ばかりです。そこで「これ以上絡みつくものがない?」と認識してしまうのでしょうか。
さらに、つる性植物には「絡みつくものがないと衰退する」という特長もあるようです。そういった意味でこの方法は意外に効果的なのかもしれません。
効果があったという方となかったという方の双方のブログを以下にご紹介いたしますが、私は個人的に「中央園芸のブログ」にあった、雑草には大地を再生する役目があるというお話に共感できました。本当に自然には無駄なものなどひとつもないのかもしれませんね。
ヤブカラシはぐるぐる巻きにされると「自分の役目は終わった」と感じて静かに消えてゆくのかもしれません。
効果があった派
🌍 ヤブガラシを駆除するには | 中央園芸のブログ
効果がなかった派
🌍ヤブガラシを巻くと枯れる?ぐるぐる巻きしてみた結果 | 庭の草
(ミカドONLINE編集部)
出典/参考記事:ヤブガラシ やっぱりそうかビンボウカズラ 【My散歩道】 「ヤブガラシ」 畑を荒らす最強雑草「ヤブカラシ」vs 家庭菜園の主・くまさん 東京農工大学、弘前大学 つる植物は自他を見分けている ヤブガラシは厄介な雑草!根絶させる駆除方法や放置するリスクを解説 自他を見分けるヤブカラシ|自分だけだと枯れてしまう? など