
最近、街中でも電気自動車(EV車)やプラグインハイブリッド車(PHV)などの電気自動車、充電スタンドをよく見かけるようになりましたね。普及が進む一方で、避けて通れない課題が「バッテリー火災」への対策です。

実はガソリン車に比べ、火災事故が少ない電気自動車。しかし、世界各地では、走行中や駐車中の車両が突如発火する事案が報告されています。
2023年にアメリカで発生したテスラ・モデルSの全焼事故や、2024年8月に韓国のマンション駐車場でメルセデス・ベンツのEVが発火した事故などは、その代表的な事例です。
電気自動車による火災は、電池内部で熱暴走が起こると自己発熱が連鎖的に続いてしまい、ガソリン車よりも消火活動が難航しやすいそう。

これらの事故を受け、国際基準が改正されると共に、国土交通省は道路運送車両法の保安基準を改正し、日本独自の方法を加え、新しい性能試験を義務付けました。
一体どのような方法で私達の安全を守ってくれるのでしょう。
レーザー照射による性能実験
今回の改正では、バッテリーの安全性を確認するための新たな性能実験が追加されました。
具体的には、バッテリーに対してレーザーを照射し、意図的に加熱するという内容です。一つの電池が何らかの原因で異常発熱を起こした際、それが連鎖的に広がらないか。あるいは、その影響をどこまで抑え、乗員の安全を守れるかが、今後の型式指定を受けるための厳格な要件となります。
実際に事故が起こると想定される状況を作り出し、徹底的に安全性を確かめるのですね。
異常検知から「5分間」の安全確保
新基準において、以下の要件を満たすことが求められます。
- バッテリー全体が異常発熱に至らないこと
- 異常を検知してドライバーに警告を出し、その後5分間は火災・爆発・車内への煙放出が発生しないこと
この「5分間」という時間は、乗員が車両から安全に脱出・避難するための猶予として設定されました。「警告が出たら、すぐに安全に停止し避難する」という一連の流れを支える技術が、これからのEV・PHVにとって必須の性能となります!頼もしいですね。

今回の改正では、バッテリーの安全基準だけでなく、制度の運用面でも見直しが行われています。令和6年12月に公表された「自動車の型式指定に係る不正行為の防止に向けた検討会」の取りまとめを踏まえ、各基準の適用時期を統合する見直しが行われることになりました。
適用時期は以下の通りです。
- 新型車: 令和9年(2027年)9月から
- 継続生産車: 令和12年(2030年)9月から また、同時に「システム出力の決定に係る協定規則」の導入なども行われ、認証プロセス全体の所要の改正が進められています。
継続生産車への搭載はまだ先ですが、各自動車メーカーは試験設備の導入や設計変更などを行い、さらに安全性を高めたバッテリーを搭載していくことになります。
(ミカドONLINE 編集部)
参考/引用記事:電気自動車等のバッテリー火災に対する安全性を確保します~道路運送車両の保安基準等の改正について~-国土交通省、EVバッテリー火災防止へ新基準 異常な発熱で警告、国交省、電気自動車(EV)の火災リスクは本当に高い?安心して乗るために知っておきたいポイント等
























