【ヒストリー】06.火力発電所~気になる貴婦人~

    世界で最初の発電所はエジソンが1882年に建設した中央発電所です。

    先進の起業家でもあったエジソンは
    白熱電球を含めた一連の発明を電力事業の一端と捉えていました。
    そして発電・送電システムを完成させて
    1881年に「エジソン電灯会社」を設立し、
    その翌年、ロンドンとニューヨークに
    石炭を使った火力発電所をつくりました。
    それが直流送電だったため、
    やがてライバルに負けてしまうのは前回お伝えした通りです。
    https://homepage-town.jp/mikado-d/reference/201408.html#history

    火力発電のしくみは蒸気機関車によく似ています。
    燃料を燃やしてお湯を沸かし、
    蒸気の力で大きなタービンを回します。
    そしてタービンに連動した発電機の電磁石の回転運動により
    電力を発生させるしくみです。

    実はエジソンの発電所から百数十年経った今も
    世界の電力の4割が石炭で発電されており、
    日本でも3割が石炭火力による発電です。

    これは設備の古さだけでなく、オイルショック以後、
    産出国が限られ政情不安にも影響を受けやすい
    石油を避ける各国の方針や、
    石油発電所の新設を禁止する世界的な取り決めがあるからです。
    ですが石炭はCO2の排出と地球温暖化に課題を持つ燃料です。

    石炭と蒸気で動くSLはほとんど姿を消してしまいましたが、
    石炭と蒸気で動く火力発電は世界中でまだまだ主役。
    SLに例えると、気になる「貴婦人」ということになるでしょうか。