企画室メンバーが担当する「ミカド電装の品質への取り組み」シリーズの第2回です。今回は計器類のご紹介です。皆さんは見たことありますか?使ったことありますか?
ミカド電装:品質への取り組み(2)「計器の紹介 その1」
レポート 企画室 伊藤明良
こんにちは。企画室の伊藤です。
ミカドの品質への取り組み第2回目の今回は「現場作業の品質」をテーマに、現場で実際に使用されている計器を紹介いたします。
確実に、安全に、蓄電池設置などの現場作業を高い品質で完了させるべく、様々なシーンで計器が使用されております。
実際に現場ではどの様なものが使われているのか?工務部のスタッフに話を伺ってきました。
工務部のスタッフから合計6点の計器を紹介してもらいましたので、今回はその内の3点を紹介していきたいと思います。
レーザー墨出し器
レーザー墨出し器は土台などの水平レベル(傾いておらず正しく水平になっているか?)をレーザーで自動で測ってくれる計器です。
蓄電池や電源装置のキャビネットを現場に据え付ける際は「チャンネルベース」という金属の土台の上に置きますが、そのチャンネルベースの水平レベルをこのレーザー墨出し器を使用して調整します。
蓄電池盤や電源装置の据え付けには国土交通省の施工管理基準があり、水平レベルも±何ミリという単位で規格値が定められており、それを厳守するため細かい単位で水平レベルを調整する必要があるのです。
なぜ蓄電池据え付けに関して水平レベル規定があるのか?と言いますと
以前主流だった「ベント式据置鉛蓄電池 」という蓄電池は、
水平な状態で蓄電池の中にある電解液(希硫酸)の容量を確認し、
電解液の容量が減っている場合は水を足さなければいけません。
水平レベルが悪く蓄電池が傾いていると正しく電解液の容量を測れないので、
細かい単位での水平レベルの規定が必要でした。
今主流になっている「制御弁式据置鉛蓄電池」という蓄電池は、電解液が減るという事は
なくなったので、例え蓄電池本体が傾いていたとしても問題はありません。
とはいえ、全て据付られている蓄電池が「制御弁式据置鉛蓄電池」いうわけではなく、
耐熱の問題などでベント式が選択されることもあるので、国土交通省の施工管理基準には水平レベルの規定が残されており、あらゆる蓄電池設備はきちんと国土交通省の施工管理基準の規格値を厳守する必要があります。
また、水平レベルの保持は既に設置済みの機材や蓄電池との高さを合わせ、
縦横全体を綺麗に配置できるという美点もあります。
(水平が保たれていないキャビネットは見た目も悪く仕事の品質が良いとはいえませんよね・・)
相回転計
三相交流には電気の流れる向きがあり、正常に電源機器を動かすためには、三相交流の電流が「正しい方向」へ流れている必要があります。
電流の向きが合っていないと、機器のトラブル、故障の原因になってしまいます。(例えばモーターの場合は逆回転してしまいます)
その様なトラブルが起こらない様、相回転計を用いて正しい電流の向きになっているかを調べます。
(※)三相交流ってなに?という方はこちらの過去記事をご覧ください。
👉 【電気を送るしくみの今とこれから】02_そもそも三相交流ってなに?
デジタルマルチメーター
デジタルマルチメーターは元々は電圧計で、それが進化した計器です。マルチという名前の通り、交流と直流をひとつの計器でみることができますし、抵抗も測れます。
「この機器1つでなんでも測れる!これがあればOK!」という便利なメーターです!(昔は1つずつ計器を準備していたそうです)
現場ではこの計器を用いて直流電源装置が「設計通りの電圧・電流になっているか?」を見定めます。電圧・電流の設定を間違えてしまうと機器が壊れてしまうので、確実に確認を行い、電源装置の品質保持を行っております。
以上、今回は「計器紹介 その1」をお届けいたしました。
見慣れている方はお馴染みかもしれませんが、普段触れない私的には計器自体が新鮮でしたし、仕事の質と安全が様々な道具を使いこなす事で守られていることを改めて実感いたしました。
次回は「計器紹介 その2」と題しまして
・クランプメーター
・バッテリーハイテスタ
・放射温度計
を紹介したいと思います。
次回をお楽しみに!