社長に聞く「設備のエネルギーマネージメント」~②背景・歩み・当社の考え

    みかドン ミカどんミカド電装商事が取り組んでいる事業のひとつに設備のエネルギーマネジメント事業があります。今回は当社の社長がエネルギーマネジメントに取り組んできた背景と歩みを話し、お客様へのメッセージも掲載いたします。(聞き手/ミカドONLINE編集部)

    エネルギーマネジメントに取り組み始めた背景とこれまでの歩み

    ミカド電装商事㈱ 代表取締役社長 沢田秀二

    沢田 当社がCO2削減ポテンシャル診断機関に認定されたのが2016年なので事業としては5年目を迎えました。
    CO2削減ポテンシャル診断は今年度で一区切りとなり、今後は形を変えていくものと思われますが、昨年度は1事業所あたり平均23.5%の省エネ(CO2削減、コストカット)のお手伝いができました。

    ミカド電装商事の環境への取り組みは、使用済み蓄電池の廃棄物処理業務から始まりましたが、その後、行政や業界団体で組織する環境マネジメントシステムの第三者認証機関(みちのくEMS)に加盟し、みちのく環境管理規格認証機構にも登録されました。

    これらの活動を通じて、より効果的な温暖化防止のためには、エネルギーマネジメントを事業としてとらえるべきだという発想に至ったんです。日々の小まめな節電やペーパーレスなどは当然推奨されるべきですが、それよりも事業としてエネルギーマネジメントに取り組めば何万トンというCO2削減が達成できて、大きな社会貢献ができるわけです。

    お客様をご訪問して詳細に業務内容を伺います

    国連が定めたSDGsが「持続可能な開発目標」であるように、企業も持続可能であるためには、自分のところの利益だけを考えたのでは決して長続きしない世の中になってきています。俗に「三方よし」と言われていますが、日本に昔からある買い手よし売り手よし世間よしという近江商人の経営哲学と相通じるものがあり、この「世間よし」の部分をエネルギーマネジメント事業を通じて実現していくことが、今、当社ができる社会貢献であり大きな目標と考えています。

    編集部 ありがとうございます。従来からの当社の事業である電源システムは、社会のインフラを支えるしくみとして、東日本大震災を機に重要性が広く認知されました
    当社の企業理念は「未来に貢献する企業」なので、エネルギーマネジメントの分野でもさらに貢献をしていけると改めて思いました。
    この企画にあたり、編集部では社長からお客様に向けてのメッセージを受け取りました。以下に全文を掲載いたしますので、ぜひご一読ください。

    代表取締役からのメッセージ

     

    当社の考えるエネルギーマネジメントとは

     

    環境経営を考えているお客様、または考えるべきお客様へ向けて、なにをどうすれば環境経営へと進めるのかをコンサルティングしその実行に必要な行動をお手伝いすることが、当社が考え、推し進めていくエネルギーマネジメントです。

     

    2015年にCOP21で採択されて2016年に発効されたパリ協定では、産業革命以降の世界の平均気温の上昇を2℃未満に抑える(1.5℃に抑える努力をする)「2℃目標」が設定されました。その達成に向けた自国の取り組み目標を各国が宣言をするなかで、世界中の企業、自治体もまたその達成の一助となるために各自の目標を自らに課し、これを実行していくことが要求されるようになりました。
    このような流れの中で、以下のような活動への参加が企業として求められるようになってきました。

    ESG投資
    企業への投資の際に環境への取組等を適正に評価して行う投資方法
    SBTへの登録
    Science Based Targetsの略。気候科学に基づく削減目標を宣言して登録される世界的な認証
    RE100宣言
    使用する電力の100%を再生可能エネルギーで賄うことを宣言して承認を得る世界的な認証
    ➡ (参考当社記事:内外のグローバル企業が次々と参入する他人事じゃないRE100
    グリーン電力証書の購入
    再生可能エネルギーを使用して事業活動を行った証明を証券化して売買可能にした国内制度
    J-クレジット制度の活用
    削減したCO2排出量の売買ができる国内制度

    COP21の実現に向けて企業が世の中から要求されることが多くなってきている、また企業の責任としてこの要求にこたえなければならないと感じます。
    これらの対応、対策を自前で出来る大企業(専門部門があり対応できている企業)はよいとして、当社のような中小企業ではこれらを満足に経営に取り込んで削減目標に寄与することはできません。

     

    そこで、エネルギーに関する専門家としての当社のノウハウを活用してお客様のお役に立てないかと日々考えているわけです。
    当社は、お客様のエネルギー使用を詳細に調査しこれを分析したうえで、お客様がエネルギーを上手に使用していくうえで最適なバランスと手法によりエネルギー使用削減案を提案させていただいております。

     

    石油、石炭、天然ガスの一次エネルギーから電気、ガソリン、都市ガス、熱、などの二次エネルギーの最適な使用や、発電設備、受電設備、空調設備、生産設備、照明設備、ボイラーの省エネルギー化に関することなど、エネルギーに関わるあらゆるモノとコトに携わっていきたいと考えています。

    ミカド電装商事株式会社 代表取締役社長 沢田秀二