これでなっとく!エネルギー(7)LEDってそもそもなに?〜照明のカバーを外してみると?〜

    みかドン ミカどん

    エネルギーに関して日ごろから感じている素朴な疑問について解説するシリーズです。第7回目はLEDについてです(このシリーズのリストはこちら

    LEDは光る半導体の略称です

    LEDは”Light Emitting Diode”の略称です。直訳するとそのまま光る半導体という意味になります。

    LEDは1962年に初めて開発され、暗めの赤色と黄緑色のものが1970年代に表示用途として出回り始めましたが、その当時はLEDという略称よりも発光ダイオードと呼ばれることが多かったのではないかと思います。

    前回の太陽光発電の記事でも触れましたが、半導体とは熱や光・磁場・電圧・電流・放射線などの影響で、その導電性が顕著に変わる性質を持つ物質です。

    電気を通したり通さなかったり・・・と説明されることがよくありますが、「使い方次第で導体・絶縁体どちらの役割にもなれる」ととらえたほうがわかりやすいかもしれません。

    そして金属というのは多かれ少なかれ光を当てると電気を発生させる性質を持っています。光も一定の周波数を持つ電磁波なのでそれによって電子が影響を受けるということはある程度理解できると思います。

    そしてこの現象は逆も成り立ちます。つまり光を当てると電気が発生するように、電気を流すと光が発生しやすい物質がありそれがLEDの素材です。

    LEDは電荷の異なる素材を接合したもの

    LEDに使われている半導体は、マイナスの電子によって電気が流れる「n型半導体」と、電子を受け取るプラスの穴(これを「正孔せいこう」といいます)によって電気が流れる「p型半導体」をつなげてつくられています。

    この半導体に電圧をかけると、n型半導体側から電子が、p型半導体側からプラスの穴が移動して、両者が衝突すると光を発するしくみになっています。

    LEDの材料には主にサファイアや化合物半導体、窒化ガリウムなどが使われていますが、二つの異なる半導体をつなぐという点で上の図はシリコンを使ったトランジスタとよく似ていますね。

    つまりLEDは光る石なのです

    LEDが急激に普及するきっかけになったのは窒化ガリウムによる高輝度青色LED(発光ダイオード)を開発されたことです。

    私達が普段目にしている白い光は、実は光の三原色と呼ばれる赤・緑・青の3色から成り立っています。ということはこの3つの色が揃わないと白色光は作れないのです。

    しかし1993年に赤﨑勇・名城大学教授、天野浩・名古屋大学教授、中村修二・カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授の各氏の研究が最終的に統合されて高輝度青色LEDの製造が可能になり、この功績によって三氏はノーベル賞を受賞しました。

    これによって基本の白色を始め、様々な色が作れるようになりLEDは照明として一気に普及していきました。

    蛍光灯をカバーを外してみるとチップが並んでいる様子が確認できます。白熱電球や蛍光灯に慣れ親しんできた私たちにとっては不思議な光景に思えます。

    しかし電気を通すとそのま発光する物質は、電球のように熱エネルギーを光に変えたり、蛍光灯のように加熱による放電のしくみを使わないので、非常に効率がよく使うエネルギーも少なくて済みます。

    そのため旧式の照明をLEDに変えただけで省エネになり、そのためCO2削減の観点からもLEDへの買い替えが推奨されているのです。

    (ミカドONLINE編集部)