日本の地熱発電の歴史は大正7年、
海軍中将・山内万寿治(やまのうちますじ)が、
大分県の別府で噴気孔掘削を開始したことに始まります。
山内は軍人として国のエネルギーを考え、
将来の石油・石炭枯渇に備えた地熱利用の調査を進めましたが、
掘削成功後に死去。
地熱開発は最終的に東京電灯(株)研究所の太刀川平治博士に引き継がれ、
大正14年、ついに1.12kwの実験発電に成功しました。
https://homepage-town.jp/mikado-d/reference/201411.html#history
しかし地熱の実用化はその後立ち消えになり、
電気の安定供給が課題となる終戦後まで
大きな発展は見られませんでした。
日本で最初の商業用地熱発電所は
昭和41年に運転を開始した岩手県八幡平市の松川地熱発電所です。
松川では昭和27年に地元の松尾村が
温泉開発のために掘削した井戸から蒸気が噴出し、
これに着目した当時の東化工(株)が調査を始め、
約10年の調査・建設期間を経て実用化されました。
大分県の資料には「山内中将の想い」として
“雷公(かみなり)も車や舟を押す世なり
地獄の鬼も出て(いでて)はたらけ”
という句が紹介されています。
これからは地獄の鬼の仕事も少しずつ増えてくるのではないでしょうか。