【ヒストリー】05.直流と交流②~電流戦争~

    エジソンが考案した直流配電方式は米国の標準となり
    莫大な特許権益をもたらしましたが、
    電気の使用量が増加するとそれに伴う
    電圧降下の問題が大きな障害となり始めました。

    1887年エジソンの従業員であったテスラは
    交流発電機(Alternator)、変圧器、交流電動機等を発明し、
    直流方式の問題を交流方式で解決しようと
    エジソンに提案しましたが断られてその後退社しました。

    早くから交流技術に取り組んでいた
    ウェスティングハウス(発明家・起業家)は
    テスラの発明を真っ先に認め、
    特許を高額で購入して交流方式を商業化したため、
    エジソンの直流方式と真っ向っから対立することになりました。

    交流方式の優位性と特許権益の行く末に
    大きな脅威を感じたエジソンは、
    歴史に汚点を残すようなネガティブキャンペーンを繰り広げ、
    両者の対立は「電流戦争」と呼ばれるほど激化しますが、
    この争いは交流方式がナイアガラ瀑布の
    水力発電所で採用されたことで決着が付きました。
    そしてこれが世界最初の長距離送電になり、
    現在の送電技術の土台となっています。

    ◎テスラの発電機と設備
    https://homepage-town.jp/mikado-d/reference/201407.html#history

    テスラの発明は、エジソンが
    「交流方式を完成させたら$50.000のボーナス出す」
    と約束したのがきっかけと言われています。

    その後エジソンは「冗談だった」と、約束を反故にし、
    ここから確執が始まったという見方も。
    エジソンは高等数学を学んでいないため
    難易度の高い交流方式の計算ができず、
    数学の才能を持っていたテスラに
    ジェラシーを感じていたのかもしれませんね。