ppmは実は単位ではありません
大気汚染の濃度などでよく使われるppmは「parts per million」の頭文字をとったもので、100万分の1という意味です。1ppm = 0.0001%なので、やろうと思えば%(100分の1)でも表すことができます。
ですが、微量でも影響が懸念されるような物質の含有割合を%で表した場合、0がたくさん並んで煩わしいことや、数字の変化をとらえにくかったり、数値が悪化しても軽く受け取られてしまうことなどから、大気汚染や河川の汚濁等で公害が問題になり始めた1960~1970頃からよく使われるようになりました。
光化学スモッグの発令基準は、おおよそ光化学オキシダント濃度の1時間値が0.12ppm以上で「注意報」、0.24ppmで「警報」、0.40ppm以上で「重大緊急時警報」になりますが、確かにこれをそれぞれ、0.000012%、0.000024%、0.000040%と表現してしまうと、あまり重大な感じがしませんし、読むときにも大変ですよね。
ppmは%や1割2割と同じく、割合を表す略語のため厳密には単位ではありません。また、それだけでは物質量(モル量)の比率なのか、質量の比率なのか、体積の比率なのか曖昧なため、SI単位としての位置付けはありません。ただし日本国内では慣習的に用いられてきたこともあり、新計量法では法定計量単位として規定されています。このため公的書類や薬局方でも使用されていますが、1996年4月1日から濃度の単位はmg/lに変更になりました。
ppmを知らない若者がいる?
さて、この記事を書くにあたり、色々内容を確認しているうちに、こんなブログを見つけました。
筆者の道浦俊彦さんは読売テレビの報道局専門部長で「現代用語の基礎知識」執筆委員でもありますが、「情報ライブミヤネ屋」で入社3年目の山本隆弥アナウンサーがppmの読み方をわからなかったというのです。しかもそれは彼だけではなく、「若いスタッフに聞くと誰も知らなかった」というのですから、ちょっとびっくりしてしまいまいした^^
思えば公害という言葉がマスコミで盛んに使われていたのは平成よりももっと前の昭和の話。言われてみればそういうこともあるのかな?と思いました。
その一方でppmと聞いて、公害よりも先にピーター・ポール&マリー(PPM)を思い出す方は、それなりの大先輩ではないかと思いますが^^
ちなみに昭和の時代は「この魚にはppmは入ってないよー」と話す魚屋さんがいたとか。意味の理解はどうあれ(笑)、当時は誰もが知っていたppmを知らない若者がいるというのも、もしかしたらいいことなのかもしれません。