新築祝いに知人の家を訪問したら、時間より早く到着してしまい、知人一家は留守でした。最近のインターフォンは出かけているときの来訪者もあとから動画で確認できるそうで、玄関先で困惑気味に動不審な行動をしている自分の姿を見せられて、大笑いしながらも、冷や汗をかいてしまいました。
近年の技術の進歩に驚かされるインターフォンですが、元々は施設内の離れた箇所を結ぶ構内通話システムとして1930年代にアメリカで開発されました。当初は電車の車内通話に利用されましたが、その後用途が広がり、次第に病院や保守点検設備、そしてオフィスや家庭にも普及していきました。
日本での生産開始は1950年代で、ホームページに「日本初」を掲げているNIC株式会社によると、テレコールの商標で販売を開始したようです。その翌年には、アイホン株式会社が旅館用親子式(子機から親機への一方向)インターフォンの生産を開始しています。また、家庭用の製品は、1960年にパナソニックが販売を始めており、その後、公団住宅での採用などを経て現在に至っていると思われます。
ちなみに、老舗メーカーのアイホンはアップル社のiPhoneと名前が似ています。そのため両社協議の末、iPhone側が、先行するアイホン社に使用料を払って商標を使わせてもらう形態を取っており、iPhoneの商品説明にはその旨の記載があります。また、区別するために「アイフォン」ではなく「アイフォーン」と長く伸ばすのが正式な日本名になっています。
余談ですが、当社の沢田秀二常務(現:社長)は自宅へのピンポンダッシュが気になっていた時期があるそうです。そしてある雪の夜、いたずらっ子に注意しようと思い、チャイムで表に出てみると、外には誰もおらず雪の上にも足跡がない!という恐怖体験が・・・しかし、調べてみると「誰もいないのにインターフォンが鳴る」というのはよくある事らしく、湿気による内部の腐食などで誤作動するケースがあるようです。技術は進歩しても、意外な弱点があるのかもしれません。
※画像:アイホン株式会社ホームページより転載