私があまり意識したことがない雑草ですが、今回は他の植物に寄生する雑草を取り上げてみました。テーマは「ラーメンに見える」とよく言われるネナシカズラです。
ラーメンをばらまいたように見える黄色の植物はネナシカズラ
ネナシカズラはつる性の寄生植物です。「ヒルガオ科」と言われており、世界の温帯から熱帯に広く分布していますが、植物なのに葉緑素がないので、色は黄色、橙色、赤などです。
その態様が麺によく似ているので、雑草の上にラーメンをバラまいたような植物があれば、それはネナシカズラではないかとよく言われています。
ネナシカズラは進化の過程で「他の植物に寄生して生き残る」道を選択した植物なので、太陽光から栄養を得るための葉緑素がありません。(種類によります)
そして光合成能力の維持や養分吸収能力の維持から解放されたネナシカズラは、寄生植物として独自の進化を遂げ、繁茂している様子からは葉も見えず根っこも見当たりません。(だからネナシカズラという名前がついたようです。)
そして何かに絡むことで自重を他の支持体に預けている藤やツタとは異なり、ネナシカズラは養分や水分までもほかの植物から吸い取って生きる植物なのです。
養分や水分も他の植物から吸収します
ネナシカズラが寄生できる植物(宿主)は種類が多く、これでなくてはいけない、という決まりはないようです。
ネナシカズラは発芽すると素早く茎を伸ばし、回線転頭運動を行いながら宿主となる植物を探します。
発芽後、数日以内に宿主に寄生できなければ枯れてしまうのでネナシカズラも必死です。
そして宿主を見つけて絡みつくと、寄生根というものを出して相手の茎を溶かし、根を差し込んで養分を横取りするとのこと。寄生根が出ると地中の根は枯れてしまうそうです。
上の写真では、ネナシカズラ(紫の斑点があるほう)が相手の一部を溶かして合体していることがよくわかりますね。ちょっと怖いかも・・・
今まで寄生植物について考えたり意識したことは全くありませんでしたが、こうやって生きていく植物もあるんですね。
このスタイルで生き残っていけるのなら、それはそれで「アリ」だと思いますが、花も小さくて目立たず、全体的に決して美しい外観とは言えないので、昆虫などほかの生物に愛されることもやめて、捨て身で生きているのかもしれません。
(ミカドONLINE編集部)
出典/参考記事:茎寄生植物ネナシカズラの 寄生戦略(PDF) 藤は寄生植物なんですかね。蔓性ってだけで栄養は自分でまかなっ… – Yahoo!知恵袋 寄生植物ネナシカズラの不思議 川や畑でラーメンをこぼしたような黄色い糸を見かけたら要注意 – あいかわ公園自然観察ガイド など