今回は誰もが知っているオオバコです。アスファルトのひび割れや側溝のフタの隙間から、たくましく生えて来るオオバコには独自の生存戦略がありました。
踏んでください。踏みつけ大歓迎!?
オオバコはオオバコ科オオバコ属の多年草です。漢字では大葉子と書きますが、これは葉が大きく背丈が低い(=子供)ことが由来のようです。
日本全土でよく見られ、切れにくく筋っぽい茎で引っ張り相撲をして遊んだ思い出がある方も多いと思いますが、筋っぽいのは茎だけでなく、葉にもくっきりと強度のある葉脈が通り、簡単にちぎれないようになっています。
オオバコはこのような特徴を生かし、人や車によく踏まれて他の植物が生き延びられないような環境で分布を広げてきました。道端やグラウンドなど、人が行き来してよく踏みつけられるようなところに生えているのはそのためです。
オオバコは種にも特徴があります。オオバコの種は雨などの水に濡れると粘膜に覆われたような形状になり、そのネバネバで踏みつけた人の足や車のタイヤにくっつきます。そして人や車が通るところに落とされて、再び似たような環境の場所で芽を出します。
実は草丈が低く地面に葉を広げて陽光をキャッチするオオバコは、意外に生存競争に弱く、どんなに繁殖している場所でもそこに人や車が入らなくなると、旺盛に育つ背の高い植物や大型植物に負けてしまい、やがて枯死すると言われています。
なのでオオバコにとって「踏みつけ」は大歓迎!他の植物の侵入を阻む意味でも、種を遠くに運んでもらうためにも、むしろ「どんどん踏んでほしい」というのがオオバコの生存戦略だったのです。
ちなみにオオバコは中国語で車前草と言うそうです。これは車が通るような道でも平気で咲いているからですが、学名「Plantago asiatica」の「Plantago」にも足跡という意味があり、どちらの名前にも踏みつけに強い特徴がよく表れていますね。
オオバコでわらび餅?
オオバコの葉や種子は咳止めなどの生薬に利用されています。また、外皮からとれる食物繊維はカロリーが低く満腹感を感じさせるため、サイリウムという名前のダイエット用食材として売られています。
(日本で販売されているサイリウムの多くは、オオバコ属の「プランタゴ・オバタ(英名:サイリウム)」の種子の殻を粉末状にしたものだそうです。)
サイリウムは吸水性・膨張性が高く、水と混ぜるとゼリー状に固まるのでそのまま食べるだけでなく、飲み物やヨーグルトに加えたり、米粉パンの増粘剤としてもよく使われているようです。
食感がもちもちしているので、この粉末でわらび餅もつくれるそうです。でもオオバコで「わらび」餅なんて、ちょっと変ですね。
(参考)サイリウムでもちもちわらび餅風
私は以前知人から、健康食品メーカーがつくった「サイリウムラーメン」というインスタント麺をいただいたことがあるのですが、この記事を書いてようやくサイリウムの意味がわかりました。
そこで当時の商品写真がないか調べていたところ、なんと検索の候補に、最近私が忙しいときによく買う日清食品の「高たんぱく&低糖質カップヌードルPRO」 が出てきました。
え!これにも入っているの?と、手元の商品を見てみたところしっかり入っておりました。ダイエットするならそもそもカップ麺は食べるな、という話になるかとは思いますが、実は知らぬ間にお世話になっていたということがわかり、今撮ったばかりの写真を掲載して本日は終わろうと思います。
(ミカドONLINE編集部)
出典/参考記事:踏まれるほど強くなる「雑草」の凄すぎる生き様 逆境の中で合理的に生きるオオバコの生態/雑学/東洋経済オンライン オオバコの名前の由来/雑草をめぐる物語 サイリウムって何?特徴や使い方、オオバコとの違いについても解説!/クラシル オオバコファイバー 160g/その他の粉類/お菓子・パン材料・ラッピングの通販【cotta*コッタ】 オオバコとサイリウムの違いとは?注目の健康効果と使い方を徹底解説/ZUTTO Journal/健康食品のことなら井藤漢方製薬 など