今回取り上げるのはカタバミです。身の回りでよく見かける雑草ですが、調べてみると意外なことがわかりました。身近な雑草でも知らないことってたくさんあるものですね。
カタバミはクローバーとは違います
「カタバミ」は、日本各地の道端や畑などでよく見られます。地を這うように茎をのばし(一部種を除く)6月から9月頃になると黄色や白、ピンク色の小花を咲かせます。非常に繁殖力が強いのでガーデニングをする方からは疎まれている植物かもしれません。
雑草関係のブログを読むと、葉の形がクローバーに似ているので間違える人も多いと書いてありますが、個人的には「本当に間違える人なんているのかしら?」と、ちょっと思ってしまいます^^
というのも確かに葉の形は似ていますが、パッと見の雰囲気が全然違うからです。
まず全体の大きさが違いますし(カタバミは小さい)、クローバーは葉っぱに斑が入っていますし、そもそも花が全く違います。
またわさわさと風に揺れて群落するクローバーに比べ、カタバミは地面伝いに低く平たく茎を伸ばし、両者は葉の色も異なります。(カタバミは黄緑、赤茶など。クローバーは緑が濃い)
ですが、植物に馴染みのない方や、雑草に興味がない方にとっては似て見えるのかもしれませんね。
ちなみにカタバミはカタバミ科ですが、クローバーはマメ科です。我が家にはオキザリスという葉が赤紫色の鉢植えがあるのですが、調べてみるとこれもカタバミの仲間でした。
カタバミは夜になると葉を閉じる
カタバミの名前の由来を調べていたところ、意外なことがわかりました。カタバミは夜になると葉を閉じるのだそうです。それは開いた傘をすぼめた状態に似ており、どうやらこれがカタバミの名前の由来のようです。
カタバミを漢字で書くと、片喰、傍食、酢漿草など複数の表記があり、片喰、傍食に関しては、夜に葉を閉じた状態が「半分食べられて欠けている」ように見えるからとのこと。
これもまたアマノジャクな私は「あまりそうは見えないけどなぁ・・・」と思ってしまうのですが、閉じた葉を横から見るとかろうじて(?)半分欠けているように見えるのでそのためかもしれません。
カタバミにはシュウ酸が含まれるため食べると酸っぱい味がするそうです。子供の頃に食べたという方のブログもたまに見かけますよね。ということで酢漿草のほうは味を表している表記になります。
片喰紋は人気の家紋
ところで皆さんは上のような家紋を見たことはありませんか?実はここで描かれているのがカタバミです。(今回初めて知りました)
片喰紋は5大家紋の一つと言われるほど人気がある家紋ですが、カタバミは繁殖力が旺盛で一度その土地に根付くと、払っても払っても新しい芽を出すことから「子孫繁栄」の意味があり、武将たちに大変好まれたとのことです。
すでに鎌倉時代にはこの片喰の文様が牛車などに使われていたそうなので、カタバミは古くから人々にはなじみの深い植物だったことがわかります。
それにしてもカタバミが夜になると葉を閉じたり、家紋にも使われているなんて今まで全然知りませんでした。
考えてみれば、雑草が生えているような場所には夜出かけませんし、出かけたとしても足元の草に目をやることはほとんどないと思います。家紋に関しても今までそこまで注意を払って見たことはありません。
身近な雑草でも知らないことはたくさんあるものですね。今度、近所でカタバミを見つけたら夜にも見に行ってみようと思います。
(ミカドONLINE編集部)
出典/参考記事:「カタバミ」の花言葉とは? 特徴や種類、クローバーとの見分け方を紹介 カタバミのねむりと目ざめを探るカタバミは何日てつ夜できるのか? カタバミ/花より葉っぱが人気 カタバミ|暦生活 丸に剣片喰(片喰紋)について解説!由来や意味・戦国武将一覧 など