<説子の部屋>ウナギに梅干し?~本当はギンナンでした~_43号

    ウナギと梅干しは食べ合わせが悪いと言われています。
    ですが現在では、
    梅干しのクエン酸が胃腸の働きをよくし消化を助けるため、
    むしろ好ましい組合せと考えられています。

    「ウナギに梅干し」が初めて登場するのは
    1838年(天保9年)の『皇和魚譜』という魚類図鑑ですが、
    ここでも「ウナギと梅干しが良くないのは世間に知られているが、
    医薬の文献にはどこにも見当たらない。」と、懐疑的です。

    実は、ウナギと食べ合わせが悪いとされる
    元々の食べ物はギンナンでした。

    こちらは有名な貝原益軒の「養生訓」など
    複数の書物で紹介されています。

    ギンナンは食べ過ぎると
    中毒を起こす成分が含まれているため
    その辺りが根拠と思われます。

    ではなぜすり替わったのでしょうか?

    一説では、ギンナンの実と青梅が
    非常によく似ているためと言われています。

    中身が変わってしまった「ウナギと梅干」の組み合わせは、
    一般家庭を定期的に回る薬売りがオマケとして配った
    「食い合わせ表」に掲載され、
    全国に広まっていったということです。